夜、目覚めると冷たかった
エアコンをつけても
温かいものを食べても
シャワーをあびても
冷たい
ふらふらと歯を磨いて
また布団の中へ入った
(もう目覚めないかもしれない)
少しの恐怖
外は雨
最後に聞くのが雨音というのも
わるくない
風を伴った強い雨だ
ずっと向こうで焚き火のような音がしている
自然は面白い
(もっと楽しめばよかった)
布団の中で手を合わせてゆくのも
わるくない
消えてゆくなら
誰にも見つけてほしくない
ずっと忘れられたい
それだけを切に願う
目が覚めると雨は上がっていた
昨夜より強い意識がある
(夢の中に君が出てくるなんて)
階段を下りると透明ドーナツ
透明ラケットのトラップが
至る所に仕掛けられている
「危ないじゃないか」
「そうなのよ」
君は知りながら放置している
玄関に近づくにつれて
トラップは密になりもはやそれは……
「あとで言うわ」そう言い置いて君は
無法者たちの残骸を片づけに行く
短い夢だった
AM 7:30
僕はタブレットを開いて
玉葱に色を塗り始めた
たいした色なんてない
だけど少しだけ、
光る場所があるんだ