突然何もなくなった
野球もない
サッカーもない
レースもファイトも何もない
こんなに何もないなんて
(これは本当に現実なのか……)
ボールを蹴り出したのは
まだ小学生の翼くんだ
ドリブルばかりでどこへ行くの
純粋なほど他にすることはない
巧みなステップに翻弄されて
僕はボールウォッチャーになってしまう
(長いつきあいになりそうだ)
4月の風がカーテンを揺らしても
優しい光が頬を射しても
桜並木になびくことはない
あの子をごらん
誰にも負けない執着心
不屈の意志と果てしない
夢がつづく
僕はずっとここにいて
二次元だけが動いている
(これも素敵な現実の一つだ)
ありがとう先生
ありがとうみんな
漫画はずっと友だちだよ