眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

猫の瞳

2020-06-18 20:59:00 | 幻日記
 まだ大河ドラマをやっているような時間なのに、フードコートには網がかけられている。宣言が解除されても、すぐに元の日常は戻ってはこない。僕は網をかき分けて、フードコートの中に入ろうとした。もう終わりだと警備の人に制止される。
「中に人が!」
 閉めるのなら先に状況を確認しないと。
 彼には何も見えていないようだった。
「見えないんですか。あそこに!」

 以前にも見かけたことがある。
 おばあさんはキャンバスを広げて猫を描いていた。
「今日の内に描いておかないと逃げてしまうのよ」
 手元しか見えていないようだった。
「もうここは閉まるみたいですよ」
 もう完全に閉まっている。
「ご親切にどうも」
(目玉を入れたら終わりにするわ)
 その時、フードコートの明かりが消えた。

「おばあさん?」
 おばあさんは消えた。
 静寂の中に猫の瞳だけが光っている。

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そしてまた、書き出せない

2020-06-18 04:15:00 | 【創作note】
 書き出せばすぐに終わってしまうことはわかっている。それが目的だからだ。オチは特に決まっていない。書いている内に終わればそれでいい。書き出さねばならない。書き出して書き出して「僕はここにいる」と確かめねばならない。叫ばねばならない。

 さて、どういう風に書き出せばいいのか。
 そこがよくわからない。何度書き出してみても、やっぱりわからない。

 時々、兄を、初対面の人のように思う。

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スープ(またあいましょう)

2020-06-18 03:22:53 | MTV
スープをスプーンで1口
熱くて飲めないくらいが
一番好き
 
あちち やけどしそう
1口飲んで ふーふー
もう大丈夫
 
スープをスプーンで1口
ちょうどいいから
一番好き
 
スープをスプーンで1口
どうしてこんなに美味しいの
だからもう1口
どんどんどんどんなくなって
底が見えるほどになって
もうスプーンはいらない
 
カップに口をつけてスープを
気づけばすっかり冷めてしまって
もう好きではないけれど
一番好き
 
カップを持ち上げてスープはみんな口の中
すっかり空っぽになったカップ
なくなったスープを思えば
一番好き
 
またあいましょう
 
 
 
 
 
 
 
 
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夜更かし折句、言葉遊び短歌

2020-06-18 01:22:00 | 短歌/折句/あいうえお作文
創造のコーナーにベッカムをみる
執念がかきこませたご飯

(折句「そこかしこ」短歌)
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