6時前に家を出て歩いて駅に向かった。電車に乗って1駅先で降りた。踏切を渡り陸橋を渡り少し歩いて階段を上がると内科の入り口は開いていた。診察券を出すとすぐに名前を呼ばれた。診察室に入ると電子カルテが映し出されているのが見えた。「今日はどうしました」と先生が訊いた。少し話をして、お腹を触り、来週の今日に検査日を決めた。初めて見る若い看護師が採血をして終わるとすぐに会計をした。
時計を見るとまだ6時半にもなっていない。そんな……。
歩く途中、私は1つも信号を待たなかった。1分も電車を待たなかった。私が帰る頃に、1人の患者が現れた。あまりにすんなり進みすぎたため、まるで夢のようにも思われた。そして、今までの躊躇いが馬鹿馬鹿しく思えてきた。(病院に行こうか行くまいかもたもたしていたのだ)迷ったら踏み出すことも必要かもしれない。
帰りは歩いて帰った。買い物をして家に着いたのは7時を少しまわった頃だった。