「最後の試験です。今から流れる映像に合わせて止まることなくツッコミを入れてください」
バーチャル空間に現れるアクシデントに、俺は休みなくツッコミ続けなければならない。一瞬でも止まったら、俺はツッコミ失格だ。
・ Ready Go ! ・ ・ ・
「天井高いな!」
「ポメラをまな板にすな!」
「お茶熱すぎや!」
「セールばっかりやな!」
「鞍馬天狗か!」
「どこが先手やねん!」
「どんな囲いやねん!」
「かけすぎやろ!」
シンプルに、適切に、迅速に、感じるままに……
「どんな設定やねん!」
「客ちゃうかったんかい!」
「雨ばっかりやな!」
「雪だるまがうろちょろすな!」
「キーパー出すぎや!」
「はよ戻ってこい!」
「どこまで行っとんねん!」
「丸投げすな!」
躊躇わずに、素直に、簡単に、ありのままに……
「ポメラをまな板にすな!」
「どこの子や!」
「王様で攻めてくんな!」
「アンハングエラか!」
「いやなんでやねん!」
「どういうことやねん!」
「どっちやねん!」
「投げへんのかい!」
大丈夫。何も考えるな。すべて口先に従うのだ……
「寝ながら小説書くな!」
「お前誰やねん!」
「忍者屋敷か!」
「雨ばっかりやないか!」
「人多いな!」
「お洒落地蔵か!」
「詰んだら投げなさい!」
「コラムにくっつけんな!」
迷わず、顧みず、恐れず、俺のままに……
「ポメラをまな板にすな!」
「差し控えばっかりやな!」
「癒着やないか!」
「結果がすべてや!」
「言うこと一緒やないか!」
「キーパー出ろや!」
「棒読みやないか!」
「手使うな!」
「言うこと変わっとるやないか!」
「キーパーは使ってええねん!」
「いやアドリブ下手やな!」
「まな板にすな!」
「定義を持ち出すな!」
終わった。
正解かどうかはわからなかったけど、俺はどうにか休まずに言えたよ。
☆☆☆ 合格!! ☆☆☆
「あなたを今より危機管理大臣に任命する」