部屋にいると先生が何をしているのかとたずねてきた。僕はタオルの用意やお菓子の整理をしているのだと答えた。切符はまだ買っていなかった。切符などいつでも買えるからだ。
「今行け!」
先生は今すぐ切符を買いに行くように言った。窓口に行くと半分明かりが消えて閉まりかけていた。自販機はまだ大丈夫だ。切符を買おうとしたがどれを買えばいいかわからなかった。
「みんなは何を?」
「博多でしたよ」
窓の向こうの女は答えた。券売機に戻って博多を押すと43000円だった。
(うそだ!)
どう考えても高すぎる。僕は食堂に駆け込んだ。同級生らしき男を捕まえて訴えた。男はとても冷静な態度だった。そんなもの高くも何ともない。僕ならいつも買っているよと言った。
ぞうすいだけではすぐにお腹が空いた。僕はたこ焼き屋に駆け込んでたこ焼き6個を注文した。
「味は?」
味は1から10ほどあり1番上は素焼きだった。僕は気になった5番目のしょうゆに決めた。
「しょうゆでっか?」
店主は驚いたように言った。初めてしゅうゆの名を耳にしたようだった。
「ソースの方がいいですか?」
不安になって僕はきいた。
「普通はソースでっけど」
「じゃあソースで」
あっさりと僕は流されてしまった。
「350円です」
適正価格に違いない。
たこ焼きはすぐに出てきた。鉄器の中で僕を待っていたからだ。