コーヒーカップの底がみえたら
どこかへ向けて歩き出そう
もう粘っても何も出てこない
ノートに広がる空白に
日が射してジェラシーに染まる
・
混沌とした夕暮れ
どこからともなく現れた
物憂いキツネは
脳内遊戯に参加して
引っ張り出したのは暗黒の風景
・
小回りの利かないカートに乗って
どこへでもお届けに参ります
もずく町の温泉宿から銀冠の小ルームまで
乗り付けてお伺い致します
冷やしてよく振ってすぐにお飲みください
・
恍惚とした硝子ケースの前で
どこまでも投入は繰り返される
もれなく取れないからこそ
望みは膨らみ続けるばかりだったし
非常線は僕らをまだ正気に返さなかった