「5秒将棋でも必勝」
将棋としては終わっている。
普通だったら(投了もやむなし)。しかし、切れ負け将棋は、話が違う。ルール/ゲームが違うのだ。(切れ負け将棋に判定勝ちはない)いくら形勢が大差でも、場合によってはあと一手で頭に金がのって逃げ場がなくなるような局面でも、先に時間が切れた方の負けとなる。
(技がかかっても、銀損しても、終わりじゃない)
(弱くても、必敗でも、チャンスがある)
大きな駒損をして全く攻め味もないような側が、自陣に飛車を打ちつけて頑張っている。そうした絵柄を、どこででも観ることができる。
「時間内に寄せられますか?」
自陣飛車は、そう問いかけているようだ。
それはもう1つのゲームなのだ。
よい側は焦るだろう。気が緩むこともあるだろう。そうしたメンタルも含めて、切れ負けというゲームだと言える。
よい将棋をちゃんと将棋で勝ち切るとするならば……。
試されているのは、勝つ/寄せる手際のよさかもしれない。
いかに効率的に守備駒を一掃するか。粘る手を許さないか。王手のかかる形を築くか。より厳しい手。より困る手。より賢明な手。より本質を突く手を追究/選択できるか。
駆け引きの上では、相手に時間を使わせることも重要だろう。(相手の考慮時間も自分の貴重な時間になる)迷わせる手。少し意表を突く手。王手のかかる形にすることで不安にさせることも有効かも知れない。
勝つということは、ちゃんと勝ち切るということは(いかに形勢が離れていても)、それほど簡単なことじゃない。
~玉のみえる形にすること
(穴熊が強いのは頓死の心配なく駒を渡して攻められるところだ)
攻め方を誤ったとしてもそれを咎めて勝ちまで結びつくには遠い。しかし、玉の周辺で受け間違えば簡単に詰んでしまう。時間に追われている状況では、どんなミスが出るかわからない。玉との距離を詰められるかどうかは、勝率にも結びつくと言えるだろう。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます