久しぶりに資格を使った仕事の話を書く。現在、私は、過去に取得した資格を生かして仕事をしている。年金も出始めたが、勤労所得の方が多い。
使っている資格は、中小企業診断士、ガス主任技術者、土木施工管理技士、それに労働安全コンサルタントに衛生工学衛生管理者と言った労働安全・衛生あたり。このうち、売上が一番多いのは、労働安全・衛生の特別教育の講師だ。講師と言ってもすべてネットを使ったEラーニング。特に新型コロナの影響で、売上は伸びている。
この日は、特別教育の石綿取扱作業者、この法改正部分を教育の本文に取り入れる収録だ。法改正は直後、その部分だけを最後に付け足していた。しかし、いつまでもその状態はまずいためだ。
省令の石綿規則などの変更点を丹念に調べて、パワポを更新する。そして収録、ここまでの作業、実に手間がかかる。3か月ほど修正作業を行った後、スタジオで収録だが、新型コロナの影響で延び延びになっていたものをようやく収録できた。2日間である。ほとんどが一発収録で、収録そのものは慣れている。合計で半年かかった作業の集大成になった。
(東京の仮設スタジオ)
石綿規則に限らず、法令は箇条書きだ。従って条文だけを書いても、連続性がない。そこで法令を充足した形で、所轄の役所がマニュアルを作る。言い方はガイドライン等様々だ。こちらは、フローチャートがついていて、連続性があり、そのまま仕事に使える。細かすぎるのが難点だ。
今回の教育資料の改定作業は、改定後の法令とマニュアル、両者を使ってパワポに落としていく。一か所、法令とマニュアルが不整合・矛盾する箇所を見つけた。何度考えてもわからない。しようがない、マニュアルの発行元である環境省に問い合わせする。しばらく待ったが、返信がない。ネットを見ると、内容によっては返信しないものもあります、となってる。つまり、問い合わせに答えるか否かは、役所次第ということ。
さあ困った、収録の期日も近い。しようがない、作業者にとって安全サイドになるようにまとめて、質問があれば、経緯を答えようと決める。
話は変わるが、特別教育のEラーニングでは、受講生から、時折、難しい質問が来る。難しいのはたいていは法解釈だ。法令は紋切り型の文字が並んでいるが、それが実際の現場では、どこまでかが問われる。例えば「著しく」とは、「具体的にどこまでのことを指すのか」、などである。こんな時は、常識的な解釈以外に、最後疑問に思ったら、所轄の役所に聞いてください、と回答する。安全に関することだ。法解釈で誤った場合、その影響は大きい。それで裁判になり、負けたらとんでもないことになるからね。
さて、収録作業が終わり、体に詰まっていたものが、抜け落ちたように、気が軽くなった。これで気兼ねなく、登山やお城、温泉に出かけられる。