kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

筋肉痛について考える

2012-05-15 | 陸上競技
今更なんですが・・・。こんなタイトルで良いのかという大きな疑問がありますが感じたことがあるので少し書いておきます。

土曜日の練習中、前日に良い動きをしていた女子エースがしきりに足(ハムストリング)の部分を触っています。ちょうど1週間前の県選手権前後で「ハムに違和感がある」と言っていたのを思い出しました。この頃は接地ポイントがずれていて「無理矢理身体を運ぶ」という動きでした。接地ポイントが前にずれればハムストリングにかかる負担は大きくなります。中間疾走での肉離れの原因はこの辺りにもあると考えています。爆発的に出力が上がるから肉離れするというのもあるとは思いますが、接地のズレは大きな原因だと思っています。この冬で筋力的なものがかなりあがりました。シーズンインしてからはこの筋力に頼った走りをしていて大事な部分が抜け落ちていた感じがあります。中間疾走での無理矢理感が「ハムストリングの張り」につながっているのだと分析していました。

そのような流れがあってハムストリングを触っているのが気になっていました。本人に聞くと「大丈夫です」という答え。確かに走りのバランスも良いですし問題はなさそうに見えます。その後の練習でもかなり良い走りをしていました。前の記事にも書いたように大きなハンデを付けてもそれ以上の差をつけて戻ってくるという走りでしたから。接地ポイントがずれていれば後半思うように身体が前に進まなくなりますからこのような走りはできないと思います。疲れてきてからの動きも崩れていはいませんでした。

日曜日の勉強会の時に本人に足の状態を聞きました。これで怪我をしてしまったら意味がないですから。確認すると「筋肉痛になっている」ということでした。土曜日に足を触っていたのは金曜日の練習で「かなり筋肉痛になったから」だと。土曜日の練習終了後、臀部とハムストリングが「激しい筋肉痛」になったということでした。「え?」って感じです。金曜日はそれほど走っていません。これまではトレーニング系をやった翌日は筋肉痛に襲われることはありましたが、「走るだけ」で大きな筋肉痛が来るというのはあまり記憶がありません。冬期練習のように「尋常ではない走り込み」をしたときはダメージが大きくて筋肉痛になることはあると思います。これは・・・とちょっとまじめに考えてみました。他の者は特に何も言っていませんから特定の選手だけに起きている現象です。

女子エース、どちらかというと(かなり?)筋肉質です。走り自体も独特で「パワータイプ」に属する走りだと思います。現在県内にはこのようなタイプの走りをする選手はほとんどいないと思います。そのため他の選手と単純に比較することはできないという大きな問題点があるのですが(笑)。昨年、調子が上がっていた時期というのは特に難しいことをやっていたわけではなくある程度のことをやっていたら結果が付いてきました。県選手権までは動きはイマイチ、総体の200mで一気に爆発したという感じです。その時も特に練習中に「筋肉痛になった」ということは言っていませんでした。まー言わなかっただけなのかもしれませんが・・・。しかし、今年はなかなか思うようにスピードが上がらずに苦しんでしました。1週間前から「動き始めた?」という感じがあって金曜日からは「動く」とう印象に変わっていました。この金曜日から筋肉痛になる。間違いなく関連性があると思います。

私なりに「答え」は持っていたのですが、月曜日にesaki先生に投擲の大会でのパフォーマンスについて伺ってみました。投擲は普段からかなりの練習をやっています。投げを行うだけでは筋肉痛にはならないはずです。思い込みかもしれませんが(笑)。ここで聞いてみたのが「大会でベストパフォーマンスを連続して行ったときは投擲は筋肉痛になるのか?」ということです。普段の練習の投擲ではそこまで筋肉痛にはならないと思います。そこまで大きなダメージが来ないからです。しかし、集中して大きな筋力を連続で発揮した場合、「激しい筋肉痛」になるのではないかと。パフォーマンスが悪いのは筋発揮だけではなく技術的な部分が大きく左右する投擲競技です。単純な比較はできませんが関心はあります。返答は「間違いなくなる」ということでした。競技の合間にダッシュなどを行うこともあるが「投げ込み」とは違う「爆発的な筋発揮」を行うと次の日は筋肉痛になるということでした。「技術」が大きく左右する投擲種目、投げ込みの回数も半端ではありません。その状態でも「ベストパフォーマンス」をすれば筋肉に大きなダメージが残るのです。当然と言えば当然です。わざわざblogに書くといわれるかもしれませんが(笑)。

ここで女子エースの筋肉痛に話を戻したいと思います。今回、土曜日はそれほど多くの走り込みは行っていません。間違いなく冬期練習のほうが走っています。それでも「激しい筋肉痛」になったのは「練習量」ではなさそうです。他の選手は筋肉痛にはなっていませんから。ここで考えられるのは「良い走りをしているから」ではないかということです。これも当たり前の話ですが。筋肉痛が来た場所が「臀部」と「ハムストリング」です。股関節にも筋肉痛が残っていたようです。良い動きをするために必要な個所に筋肉痛が来ているのです。
筋肉痛になるということは間違いなく筋繊維が傷んでいるのです。悪い動きをしても筋繊維はダメージを受けます。走れない時であれば大腿四頭筋(脚の前側)にダメージが来ると思っています。無理やりですから。今回は必要な個所に筋肉痛が来ている。これは良い傾向だと考えています。通常のスピード負荷であればそこまで筋肉痛にはならないでしょう。筋肉の特性として「刺激に対しての慣れ」があります。同じような刺激であれば筋肉が慣れているので筋肉痛にはなりません。今まで以上の強い負荷がかかった場合のみ筋肉痛=筋繊維の断裂が起きます。今までスピードが出なかった走りが「きっかけ」があって高い出力を出す状態になった。だから必要な部分に「激しい筋肉痛」が来たのだと考えています。確かに良い動きをしていましたし、他者と比べると高いスピードを出していました。これが本物なら「やっとスタートラインに立てた」という感じでしょうか。まだまだ油断はできませんが。

もう少し様子を見ていきたいと思っています。これが私の思い込みではないと信じて(笑)。
コメント
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