記憶が前後してしまうので、忘れないうちに最近の出来事から記録しておきます。
土曜日の午後、親しい指導者に頼まれて練習を見に行くことに。先日のハードル練習会ではードリルをやっていたのを見て長距離選手にもっとやらせておきたいとのこと。長距離ではそこまで「細かい」ことをやる雰囲気がない気がします。大学の時から思っていましたが、「長い距離」はある程度やれば記録が伸びると思います。社会人が「マラソン」や「ロードレース」にチャレンジする理由の一つに「記録が伸びやすい」というのがあります。
当然です。距離が長くなればなるほど時間がかかるので短縮できる記録は大きくなります。100mで0.01秒速くなったというのと10キロで10秒速く走れるようになったというほうが目に見えて「成果」がある気がします。ある程度の練習をしておけば「間違いなく記録は伸びる」と思います。女子の長距離に関しては中学校時代の取り組みや体型の変化などにより伸びにくくなる&記録が低下してしまうというのもありますが。
今回の指導に関しては以前からあれこれやっている中での追加の部分でした。色々と興味関心を持ってやっているので「どうしたらいいか」と聞かれることが多々あります。これまでの長距離の指導とは異なるスタンスでのアプローチなので私自身も面白いなと思っています。ハードルなどはずっとやっているようです。アップに関する補強も先日メニューを作ってからそれをやってくれています。もう負荷を増やしてもいいかなという感じはありますが。
ジャンプ系なども入れたいという話だったので「現況把握」をするようにしました。股関節周辺の強化や体幹部の強さも見たいなと思っていたので、簡単な補強をさせてみました。ある程度はやっているのでしょうが、まだまだ弱い。短距離のように筋肉の量はそれほど必要ないと思っています。走りの中で身体を維持できるようになっておけばいい。が、その筋力も不足しています。「長い距離を走る」ということなのでそこまでの筋肉は必要ないと考える部分もあります。補強もかなりやっている感じはありますが、それが長距離だからという感じで終わっていないかどうかという疑問もあります。「〇〇メソッド」のように「当たり前」のことが「この練習は良い」として取り上げられる感じですから。
5分程度でできる腹筋と股関節の補強を組み合わせたものを教える。これは毎日の練習に取り入れてもらうようにします。そこからは「ジャンプ」をしたいという話だったので状況判断。話を聞くと「ミニハードルジャンプ」をやっていると。長距離でジャンプ系をやるというのは少ないと思います。中国地区の強豪大学はハードルジャンプを中距離、長距離の選手にもやらせているということでした。これをダウングレードしてミニハードルジャンプになっているのだと思います。
ということで、前段階として縄跳びをやってもらうことに。これは短距離でもやりますが。二重跳びと片足跳び。二重跳びがなかなか連続でできないので時間がかかります。普通跳びでもいいのかもしれません。接地した瞬間につぶれないということを考えればどちらでも影響はないのかも。より瞬発的な力を出そうと思えば二重跳びなのかなと。時間効率を考えると潰れない普通跳びのほうが無駄がない。片足跳びは普通跳びで十分かなと。あくまで「接地した瞬間につぶれない」という狙いの中でやっています。高く跳ぶというのではなく「地面からの力をもらう」というのがメイン。主旨が異なるかもしれませんが。そのあとにミニハードルジャンプをやってもらったらかなり浮きます。こういう「段階を追う」練習は効果は高いと思います。
ハードルドリルをやるというのでそれも。ハードルドリルは「股関節の強化」という意味もありますし、「接地場所」の確認という意味もあります。「方法論」でしかありません。補強をひたすらやってドリルで接地場所を身に付けさせるというの重要です。が、「時間がない」という場合に「ゆっくり」「丁寧に」というのができない状況が生まれてきています。進学校であれば尚更かもしれません。「限られた時間」のなかで優先順位をつけて「必要なことをやる」という形になるのであれば「一挙両得」のような形がいいのかなと思っています。複合的な練習をやることでプラスになるところもあります。もちろん、「正確性」が落ちてしまう部分はあります。これをどのようにして補うかだと。
基本、一人で長距離の練習をしている選手です。立派。こういう選手の力になれればとは思っています。元々「強いから指導する」という気はありません。どのような選手であっても「本気」になれて「強くなりたい」と願う選手であればサポートしたいなと。短距離だけではなく、他の種目や他の競技であっても役立つ部分はあると思います。これも「必要とされるのであれば」という前提がありますが。陸上競技の選手に対してはある程度はこちらから「成長を促す」ことはしますが、結局やるのは選手自身です。選手が「本気」になれないのにこちらだけが「本気」になるというのは間違っていると思います。
働き方改革がどうこう言われる世の中です。部活動のクラブチーム移行が進んでいます。その中で「教員の仕事」だけが何も変わらないというのは間違っていると思っています。「部活に入ったのに強くならない」と言われることもあるでしょう。が、実際問題「取り組み」の部分も大きく影響します。もちろん練習内容や雰囲気作りも関係してきますが。「どこでやるか」も重要ですが、「何をやるか」が重要だと思っています。「もっと伸ばせる」という部分もあると思います。が、結局は「選手が本気になるかどうか」だけです。
前任校の話ですが、私が異動してからもハードル選手は毎朝ひたすらハードルドリルをやっていたようです。時間が足りなくなるからと早い時間に登校して他の選手よりも多くの時間をかけてやっていく。それを異動後も1年半続けていました。結果、14秒5まで記録を伸ばす。1年生の時の100mよりも速くなっているのですからすごいことだと思います。100mも12秒7くらいまで行ったのではないかなと。そういう「本気」の選手を見てきていますから、学校という枠を越えて「力になる」というのは必須だと思っています。「雇用先」は「学校」単位ではなく、「県」ですから。
この辺りのことは賛否両論あると思います。それでも「生き方」「考え方」を自分の中でしっかりと持っておきたいと思います。「誰のために」やる職業なのかという部分ですね。
まとまりませんが。記録しておきます。