kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

第2回ハードル練習会3

2022-12-13 | 陸上競技

ぼちぼち。

 

今回も「基礎的なこと」をやっていきました。中学生もいるので補強も入れておきたいなと思う部分があります。そこが不足していく。これは難しい。こういう場で求められるのは「技術的なこと」です。ひたすらハードルを跳ぶことのほうが喜ばれるかもしれません。しかし、それでは「一時的な満足」でしかなく「長い目で見た時」にプラスにはならないと思っています。だから意図的に「基礎の基礎」として示しています。

 

前回はそれほどやりませんでしたが今回は「抜き足」のことをやりました。「抜き足」を大きく動かしてしまう選手が多いからです。「バイオメカニクス」や「見た感じ」の動きと「実際の意識」は違うと思っています。一番いやだなと思っているのは「抜き足」が寝てしまう部分です。ハードルドリルの時によくあるパターンの動きです。ここは何度か書いていますが。

 

連続写真や静止画像で「ハードルを越える」場面が示されます。まーこんな感じでしょうか。(一応フリー素材)

 

 

抜き足が「倒れる」形で示されています。ハードルを跳ぶというのはこんな感じなのかなと。しかし、実際にドリルの時に「抜き足が横」になる感じだと実際の走りの時には「上手く抜けない」という感じになります。この動きを意識すると股関節が上手く使えないままになる。前まで持ってきて落とすという動きはできなくなります。ここは大きな課題です。股関節が弱いからそういう動きになるのかもしれませんが、どうしても「前まで持ってくる」ことができなくなるのです。

 

そこで段階を追って「ハードル壁」のところからやっていきます。壁を使って「抜き足を立てる」動きをします。連続で足を抜いていきます。重心移動がない中でやっている動き。重心移動がないので抜き足を立てて前に持ってくるのがやりやすくなります。そこから段階的に前に進んでいく。進む段階になるとどうしても「抜き足が寝る」という感じになってしまうので、一歩進んで元に戻るの繰り返しになると思っています。

 

今回は抜き足の動きを修正するために色々とやりました。「連続歩行」で抜き足を立てる。そこから「連続抜き」にして「抜き足」を立てて持ってきて前で落とす。そこから1歩歩行で「抜き足」を立てる。ここをどれだけできるかだと思っています。歩行や連続抜きの時には「膝」の位置が「腰」より高い位置を通すことが必要だと考えています。正面から見たときに「膝」の内側が正面を向いている。膝頭が正面から見える状況では「抜き足が寝ている」という状況なのでよくない。とにかく「立てて抜く」という感じです。これにより「股関節」が上手く使えるようになります。これは実際にやってもらったら分かると思うのですが。走る時に「股関節を上手く使う」ことができれば走り自体も変わってきます。だから「スプリントドリル」にもなる。ここは意識づけの一番重要な部分だと思っています。

 

更に「抜き足」に関していえば「締めて持ってくる」ところが重要です。大きく抜いてしまうと「抜き足」の回転運動の運動エネルギーが大きくなります。それを打ち消そうと思えば上半身も大きく動かないといけない。大きなブレを生み出します。練習中にイメージで話すのは「輪っかの中を通す」という感じです。リードアームを前から後ろに引きます。その「引く腕」が「輪」のイメージで行う。手を伸ばして大きく動かすのではなく、肘が曲がりながら「輪」を作るのでその「中」を抜き足が通る感じです。その「輪」よりも外を通ると抜き足が大きくなりすぎてブレが生まれます。表現が難しいのですが「抜き足を立てる」のと「縦抜き」をするのは違います。「抜き足を立てる」時のイメージは「膝がわきの下に来る」という感覚。「縦抜き」は股関節が全く使えずにハードルを高く跳んでしまって抜き足が縦抜きになる。同じような表現ですが全く違います。

 

ここを意識しながらやってきます。細かい部分は説明せずにある程度の「形」を説明しながら。この時にymd選手が中学生に「つま先が落ちないように」というのも言ってくれていました。助かります。私がすべての情報を提供するのではなく、気づいたときにフォローしてもらえることでプラスアルファの情報を提供できます。私は意図的に「最小限の情報」でやろうと思っています。多くの情報を一度に提供すると間違いなく「飽和」してしまって処理できなくなるからです。必要に応じて提供する必要はあると思いますが、それは最低限の情報にしておきたい。特に中学生に「理解してやる」というのは現状では「不可能」だと思っています。まずはやってみる。ある程度できるようになったら「理屈」も伝える。「知識先行型」では中高生は上手くいかない気がするので。

 

更には「抜き足の接地場所」も重要になってくると思います。抜き足が開いて前接地になる選手が多い。これはトップレベルになっても生まれる現象です。しかし、開いて接地してしまうと間違いなくブレーキになります。そこは避けないといけない。これは導入段階から習得させたいところです。今中学生向けにこうやって練習会をする理由は「間違った動きを習得させたくない」からです。ハードルが上手く跳べる選手は特別意識しなくても跳べます。しかし、それだけではなく「より精度を高める」ことを考えると「本当に必要な技術」を習得させたいなと思っています。

 

2回目のハードル練習会ではここまでとしました。少し股関節補強も実施しましたが。そのおかげで15分ほど時間がオーバーしました。申し訳ないことです。これにより「次回から行かない」となるかもしれません・・・。申し訳ない部分があります。やったことがどれだけ効果があるのか。やってよかったと思ってもらえるのか。ここも自分自身の中で不明です。次回、誰も来ないという状況が生まれるのではないか。そういう不安の中でやっているのです。

 

指導している姿が「楽しそうだった」と言われました。確かに。こういう場面で指導させてもらえるのはありがたいことです。それを今後の自分の指導にどのように生かすか。「やりたい」と思う選手に対して何が提供できるか。そこが重要です。

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第2回中高ハードル練習会2

2022-12-13 | 陸上競技

内容について触れておきます。

 

この日の参加者は40人強。45人くらいだったでしょうか。そのうち中学生が13人程度。中学生は男子の参加者のほうが少なかったですね。これから先のことを考えると中学生男子の強化は必須だと思っています。ジュニアハードルからハイハードルに一気に上がります。それに対応できる選手が県内には少ない。「ジュニアハードル」だから対応できているという選手が多い気がします。今年は県内の3年生で久しぶりにハイハードルに対応できる選手がいます。来年の少年Bのショートハードルで戦えるようになってもらえたらと思っています。長いスパンで関わっていくことができれば可能になるかなと。

 

女子も中学生は今年度一番力があった選手が参加してくれています。3年生です。元々、この「中高ハードル練習会」は「中学校3年生の受け皿」にしたいというのがありました。「中高連携」と言いながらも実際は身体を動かす環境は提供されません。もちろん勉強を最優先でやってもらいたいのですが、それだけではなく「高校で競技をやる」というのであればこの期間も身体を動かし続けるということが重要だと思っています。3年生のこの時期に「身体を動かさない」ことから生まれる弊害は大きい。ただでさえ、7月の通信陸上で引退するという選手が増える中で「場の提供」ができなければ高校での競技は終わってしまうのではないかと危惧しています。

 

与えられる環境は最大限に。高校3年生から中学校1年生までの幅広い年齢層が関わる中で「見えてくるもの」があると思っています。未来像を描きながら競技に取り組んでいく。前の記事でも少し触れましたがymd選手がこういう場で中学生や高校生に関わってくれる。言い方は悪いかもしれませんが社会人選手を上手く利用させてもらうことで指導の幅に広がりが生まれます。これから先、若い指導者が少なくなっていくであろう山口県では「高校の教員」が「指導者」でなければいけないという等式は成立しなくなると思っています。その土台作りをしながら選手を育てていければと思っています。

 

今回のメインは「前回のおさらい」から始めました。初めて参加した選手もいますが、ある程度のことをやってからかなと。どうしても「早く跳びたい」と思う選手も出てくると思います。しかし、焦っても仕方ないのかなと。今やるべきは「基礎の徹底」だと思っています。何人かは「走らないんですか?」と聞いてきましたが、今の時期に焦ってハードルを跳ぶ練習を増やす必要性はないと思っています。逆に冬季練習だから「全くハードルを跳ばない」というのも違うと思っています。スプリントとハードルの融合を考えるとどちらもやりながら少しずつ合わせていくことが重要です。

 

練習の初めにymd選手が中高生に「速く走ること」が大事だと話してくれました。これも前回話をしていますが、「ハードリング」に特化しても結局「タイム」で争う種目です。早くゴールしたものが勝ち。ハードリングだけが上手くても速く走れないと勝負に負けてしまいます。そういう意味でも「ハードルドリル」などは優秀だと思っています。股関節周辺の強化ができる。単純にやるのではなく「道具」があることで「強制的に強化される」という部分です。見ていた何人かの先生方は「短距離の練習に取り入れたい」と話をされていたようです。結局は同じ部分です。必要な要素を強化しながらスプリント力を磨いていく。今度、「短距離練習会」がありますが、ここでも同じようなことをしようかなと思っています。

 

重心移動がない中でやっていってから最終的には少しずつ進みながらやる。全体の流れの中では「ざっくり」説明するように心がけています。細かい部分を練習の最初に説明しても「イメージ」ができないので「何の話か分からない」というのがあります。そうであれば「やりながらできるようにする」というのが重要。そのためには「本数が必要」になります。基礎体力も基礎筋力も集中力も重要。1本やったくらいで上手くなるのであれば苦労はしません。中学生にとってはこの辺りは難しいことかもしれませんね。普段やらないでしょうから。

 

実際にお手本を選手に示してもらいます。それを踏まえて全体でやってみる。今回はymd選手がいてくれたので、途中で「実演」をしてもらってもう一度動きの修正をかける。気づきの部分は時々練習を止めて指示をする。人数が多くなっているので細かい部分が見れないところが出てきます。指導スタッフが増えるとそこに対応できる。自分自身で何かをやるというだけではなく多くの人の力を借りながらやっていけるといいなと思っています。これが「指導者の育成」につながるのかなと思っています。「見ているだけ」から「指導に関わってもらう」ことで新しい気付きも生まれます。

 

参加してくれている中高生がどのように感じてくれているのかは気になります。これは有益な時間になっているのか。ひょっとしたら「自己満足」になっていて選手にプラスになっていない部分があるのではないか。「教えられる」という機会が激減しています。その中で中高生は「必要かどうか」を取捨選択することができなくなっていく。判断材料がないからです。「良い練習」「良くない練習」という判断をどうやってするのか。この練習会が「絶対的正義」ではないと思っています。他にもやり方があると思うからです。中高生に本当に必要とされるかどうかは自分にとって重要なことです。

 

何人かに聞いてみたいと思っています。その状況によっては「ハードル練習会」を継続するかどうかも検討する必要があります。私自身が「やりたい」からやるのではなく、「必要とされるからやる」というスタンスでいたいと思うからです。「意味がない」というのであればだれも幸せにならないので継続する必要はない。そこも踏まえて考えていきたいと思っています

 

上手くまとまりませんが。練習中の気づきも書いておきたかったのですが・・・。また書きます。多分。

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