国体が終わりました。なかなかのハードスケジュール。選手もですが我々も体力勝負という部分もあります。
木曜日に選手が鹿児島入り。このタイミングで恐ろしいほど「火山灰」が飛んできました。目を開けることもできないくらいのレベル。アップでジョグをしていた長距離選手、服は黒くなり顔も火山灰で真っ黒になっていました。笑えないくらいの話です。これまで経験したことのない水準でした。初日に行われる少年女子Bの100mのための前日刺激はバックストレートで実施しました。こちら側は追い風だったので火山灰は背中に向けて降ってくる感じです。ダメージを最小限に。
とにかく確認をしながら。今回は自分のところの選手なので状況把握ができています。先日からかなり走りが良くなっている。中国新人ではスタートを失敗してしまってタイムが出ませんでした。実力的には12秒3を切れると思っていたので上手くいけば準決勝に進めるのではないかなと。県内のコーチも「かなり走れているね」と評価してくれていました。最低でもPBの更新はしたいなというのがあったので。
当日は朝の5時半から朝練。朝の時点でこれまた火山灰が降りまくっていたので天文館のアーケードの中でしっかりと動くことに。朝10時からのレースです。アップの仕方に関しては考えておく必要があると思っています。体ほぐし位まではこの段階で行う。そこから6時過ぎに競技場へ。7時過ぎからアップを行うことに。
いつもアップでは「チューブ5歩」を実施しています。今回は何回かやって注意されました。他の県はトーイングをしたりという部分もありましたが。オレンジ色の目立つTシャツを着ていたのでばれたのかなと思っています。やり方ですね。危険性は0なのに「禁止」というのはどうなのかなという気もしています。まー判断が難しい。腰押しをして進む感覚だけ作る。一次アップでしっかりと動いて「予選が終わった状態」を作っておく。本アップでは短い距離を中心にSD練習。かなり感じがよかった。
予選のレース前、隣の方に話しかけられました。「知っている人が出ているのか?」と。次の組にいるんですよと返答。選手紹介の時に拍手をしていたのでどの選手を応援しているのかは分かってもらえたかなという感じ。
実際のレースは真ん中のレーンに入れてもらえていました。とにかく力を出せるかどうかが重要。かなり緊張はしていると思いますが。ピストルが鳴ったのですが一度やり直しになりました。うちの選手が指導を受けていました。動揺しなければいいなと思いながら・・・。2度目のスタートはかなり良かった。前半は勝負できたと思います。中盤から少し離れましたが後半はその距離を維持。5組4着までとプラスの4人が準決勝に進む。が、実際のレースは組の6着でした。しかし、タイムは12秒21!!追い風2.2と公認にはなりませんでしたが大幅に記録を短縮できました。
隣の方が「残念でしたね」と(笑)。確かに。4着どりで6着ですから準決勝進出の可能性がなくなったように思われても仕方ないと思います。それでも12秒21で走ったことは大きい。更には「プラス4」の可能性がある。他の組の4着が12秒2台だったこともあります。選手のところへ。結果的に「プラスの2番目」で準決勝に進むことができました。この場で2本走れるというのは大きい。高校1年生です。この経験が生かせると思う部分があります。やっと自分が指導している選手がラウンドを進むことができた。これは私自身にとっても大きな意味があります。
準決勝のアップ。かなり動いていました。この感じで走れれば公認でも12秒2は出るなと。40mのSDを2本やってあと1本をどうするか。私的には60mを1本入れておきたいなと感じていました。加速段階から中間へのつなぎの部分のイメージを持たせておきたい。それでも選手の感覚が重要かなと思って「どうする?あと1本行く?」と聞きましたが、「これで止めておきます」との返答。本人の感覚を大切にしてそこで終わりにしました。
準決勝、1レーンでした。スタートはかなり良くて「これはいける」と感じたのですが加速段階から中間の部分で上手く走れずに一気に離される。結果としては12秒52(+0.3)でした。一応PBですが予選の走りがあったので勿体ないなというレースでした。もっと出せていた。戦えていた。アップの時に「60m」を実施できていたらもう少し違う結果だったかもしれません。もちろん「たら」「れば」なので難しい部分ではありますが。ここがどれだけ微調整できるか。普段からの練習の中でどのように準備するか。間の時間の過ごし方は本当に適切だったか。もう一度冷静に考えなければいけないなと思っています。
それでも準決勝に進んだことはこの子にとって大きなことだと思います。リレーもあるので全国の舞台で何度も経験を積むことができる。本来国体は「戦う場所」でなければいけません。分かっています。それでもこうやって「少しだけ」でも戦えるという手応えを感じることができたのは大きいなと思っています。来年、11秒台を出せるように様々な準備を進めていけたらと思っています。先が見えてきました。
また書きます。