合宿2日目。かなり寒くなっていました。山口は雪が降っているという話でしたが倉敷はなんとか問題なく練習ができそうな雰囲気。この日は競技場練習でした。本当は学校でできたらという話でしたがグランド状態が回復しなかったので競技場で。学校から競技場までは本当にすぐそばです。練習環境としては最高ですね。
前日の状況を確認しながら。足などが万全ではない選手もいます。座って練習を見ているだけよりも他のことができたほうがいいなと思っていました。前日、mrsd先生が「走れない選手は学校でバイクをこぐ」と言われていたのでその言葉に甘えて学校に連れていくことに。やろうと思えば走れるのかもしれませんが、学校での練習を経験するのも必要かなと。無理をして取り返しのつかないことになるのは絶対に避けないといけないので。うちのエース級2人は学校での練習。IHのやり投げ優勝者が一人残って練習をするということだったので一緒に「トレーニング」をさせてもらうことに。これは貴重な機会です。話を聞いたときに「ひたすら練習している」ということだったので任せてがっつりトレーニングをしてもらうのがいいかなと。
そこから競技場へ。競技場でsris先生と合流。午前中だけの練習ですが参加されるということでした。熱心ですね。前日はkyttbnに遠征されています。こんな贅沢な遠征はないと思います。京都のことも聞きながら、目の前の練習を見ながらでした。本当はもっとゆっくり話ができるといいんですが。私はkisi高校のiskr先生と色々と話をしながら見ていました。
練習の最初がDM投げ。少し移動しながらの練習でした。最近はDM∞しかやっていません。これはこれで「強く投げる」という練習になります。しかし、動きながら投げることでより難しくなる。意識したい点が明確になってきます。実際にtky高校で見学させてもらったこともあります。当時見た時の「強さ」とkrskcのDMの強さは同等でした。かなり強いなという印象。距離は30mくらいだったでしょうか。どこの学校でも同じような練習をしています。その「本質」の部分がどこにあるのかが重要だと思ってます。
mrsd先生は練習は「子供だましのような内容だから」と謙遜して言われます。しかし、そこには多くの要素が入っていると思います。「練習内容などはどこかで勉強されたんですか?」というストレートな質問に対して「パクリだから」と(笑)。しかし、それを取り入れるにあたって「自分自身が納得できるかどうか」が重要だと。そこの吟味に多くの時間が割かれたという話でした。必要ないものは流行っていてもやらない。必要だと思うものは流行っていなくてもやり続ける。
10バトンをやりました。10本。バトンの受け渡しの話です。ここを見ながらkisiのiskr先生とあれこれ話をしていました。私はずっとkd先生から「バトンは技術」という教えを受けています。技術的な部分なので冬の間にも継続してやっておく必要があります。持ちタイムが良くても結局、バトンで勝負が大きく変わってきます。ここに関してはやはりこれまで通りやっていこうと思います。頻度を増やしながら。細かい情報交換をしていました。勉強になります。「バトンを渡す」時の力の使い方も含めて。それぞれの考え方だと思いますが、ミスを生み出さないようにやっていかないといけません。そこが最優先事項。ここにはかなりのこだわりがあります。
この日は向風の中での「ハードル走」でした。これも前回訪問させていただいた時と同じです。どの選手もハードルをするということ。IHで優勝した幅跳び選手の話もされていました。色々な練習をする中で自然と身につくことがある。幅跳び選手が「4m90」くらい跳んだ時に「利き足逆じゃない?」という話になってスタートを逆足にして出たらいきなり「5m50」を跳んだと(笑)。漫画のような話ですが。細かい技術的なことではなく大まかに色々とやっていく。投てき選手も短距離選手もハードル走をする。専門練習という形で抜くのではなく全員が同じことをやっていく中でできるようになる。今回はハードルインターバルを7m50に設定されていました。「体育の授業」だと。跳べない選手もこれくらいだったら届く。速い選手はめちゃくちゃ刻まないといけない。選手に色々な経験をさせながら順応させていくのだと思います。私のスタンスとは違いアプローチなので勉強になります。面白い。
ハードルに関してはうちにも「それなり」の選手がいます。追い風参考ですが14秒19まで出しています。が、相手は追い風参考で13秒5の選手。IH入賞しています。この選手と一緒の走る機会があるというのは大きなことだと思います。krskcの練習スタイルなので一緒に競争する機会も多い。前日と同じ「勝ち上がり方式」なので勝ち続けている限りは先頭集団で一緒に走れます。何本か走ったら途中のハードルを抜く。距離は7.5mですから1台抜くと15mになります。突然距離が変わるので対応力が問われます。ランダムハードルに近い感覚。これも400mHの練習に適合しそうです。自分でストライドの調整をするからです。面白いなと。
跳べない選手たちのためにハードルの2m手前にテープが貼ってありました。近くから踏み切らないようにというマークです。うちの選手たちは最近はずっと練習の時に線を引いて跳んでいます。できるだけ遠くから踏み切って浮くのを抑えたいからです。高く跳んでも構わないといわれていましたが、これは「スプリント選手」や「走力のない選手」に対しての話だと思います。2mくらいで踏み切れればある程度前方向に進めます。工夫ですね。
実際にうちのハードル選手はIH入賞選手には認識されていませんでした(笑)。簡単に紹介したら下の名前を知っていました。SNSなどで繋がっているのかもしれません。こういう時代ですから。うちの選手のハードリングを見て「技術がすごい」と褒めてくれていました。こちらからすれば「スプリント力がすごい」という話になりますが。毎回うちの選手に入っていますが結局は「技術」で勝っていたとしても「走力」で負けたら勝てません。今回の7.5mのハードル走などは12秒0~3くらいで走る選手の方が速くフィニッシュします。やはり「足が速い」というのは大きな武器になります。小手先な話ではない。
かなりの本数をやってうちの100mH選手はトップグループにいました。ここからハードルインターバルを17mに変更して150mくらいの距離で。8本くらい走ったでしょうか。やっていくうちにうちの故障明けの選手もかなりストライドが広がって走れるようになってきました。これは大きい。色々な刺激が入る中で動けるようになってきたのだと思います。100mH選手は残り2本まではトップにいましたがそこからは少しずつ落ちていく。スピード持続の部分だと思います。普段やらないような距離ですから耐えられません。課題が見えてきますね。
最後にシャフト補強。これも特別な練習ではないかもしれません。距離もそれほど長くない。それでも「強さ」を感じました。うちでやるとどうしても「キツイ」というのが先に出てしまうのでやりたい負荷がかけられません。前任校では40mでやっていましたが時間がかかりすぎていました。それにより無駄な時間が生まれる。今回は20mくらいだったと思います。これくらいなら一気に行ける。片脚のジャンプ系もありました。これは今のうちには厳しいと思いますが、他の種目は問題なくできます。この2か月くらい「難しい」と判断してやらないようにしていましたが、やはり「必要な要素」だと思っています。
結局「徹底的にやる」というのができていない。そこが「勝てない」要因の大部分を占めています。そして私が「本当にやりたいこと」に対して「耐えられる心構え」がなかったのでどれだけ「必要だ」と伝えても「キツイ」というのが先に出てしまうのでやり切れない。こういう部分が大きな「差」になる。だからこそ早い段階で「本物」に触れさせたかった。今回の経験は「言葉」では伝わりにくい部分が多くあります。そこで感じ取ることができた「感覚」が重要。私自身、mrsd先生と深い話ができたのは貴重な経験でした。自分の中で消化していきたいと思います。こうやって文字に起こしながら現状把握をする。
また書けたらと思います。本当に貴重な経験でした。感謝しかありません。