碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

活字で追体験する最近の「お笑い」

2008年10月20日 | 本・新聞・雑誌・活字
『テレビの笑いをすべて記憶にとどめたい』という、なにやらチカラの入ったタイトルの本が出た。

構成作家である松田健次さんが、お笑い番組の中の「笑ったシーン」を収集したものだ。

コント形式あり。一発ギャグあり。いわば活字で再現された笑いのカタログである。

番組を見た人も、見てない人も、現在の「お笑いの構造」や「お笑いのツボ」、そして「お笑いのレベル」までが確認できる。ありそうでなかった労作といっていい。

こうして活字で採録されると、正直いって笑えるものと、笑えないものが出てくる。

たとえば「あらびき団」での、はるな愛による松浦亜弥ライブのあてぶり。その“セレクトされたMC箇所”なんか、むしろ活字で読むほうが可笑しい。

それにしても、この2年間の、5000本のお笑い番組を完全視聴したことには感心(寒心?)するしかない。アタマが爆発したりしなかったのだろうか。

テレビの笑いをすべて記憶にとどめたい 笑TV爆笑シーン採録2006~2008
松田 健次
白夜書房

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昨日の日曜日は、キャンパスでAO入試。

全国各地から来てくれた高校生たちと面談を行った。「私は高校で、こんなことをやってきました」とか、「この大学で、こんなことを学びたい」とか、それぞれに語ってもらうのだ。

みんな、なかなかいい生徒たちで、全員が入れたらいいのに、と思ってしまう。もちろん定員があるから、そうはいかないが。

私のいるメディア学部を志望する高校生は、ゲーム、音楽、映像といったジャンルに興味のある人が多い。基本的には、何かを創りたい、生み出したい、と考えている。

コンテンツ立国を政府が標榜するなら、彼らは、まさにそのど真ん中にいる大切な人材というわけだ。

後は、学んだことを生かせる「場」との連携が、これまで以上に求められるが、それは大学とメディア産業界との課題である。