碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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人はみなワケありだ

2008年10月26日 | 本・新聞・雑誌・活字
神足裕司さんの新著『空気の読み方~できるヤツと言わせる「取材力」講座』(小学館101新書)を読了。

『金魂巻』や『恨ミシュラン』などで知られるコラムニストが開陳する「取材」の極意だ。

まず相手を知る。次に誠意をもって接し、安心感を与える。

さらに先方のボディランゲージにも注目して、今どういう精神状態であるかを確認。「小さなイエス」を積み重ねながら話を進めていくのだ。

「人はみなワケありだ」と神足さんはいう。

それを踏まえて相手をわかろうとすること、つまり「空気を読む」ことが人間関係における潤滑油となる。

取材力はマスコミ人御用達に非ず。仕事場はもちろん、家庭や恋愛にも応用できる一冊だ。

空気の読み方~「できるヤツ」と言わせる「取材力」講座~ (小学館101新書) (小学館101新書 8)
神足 裕司
小学館

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昨日から今日にかけて、父の3回忌で信州の実家へ行ってきた。ごく身内だけの、こころなごむ、いい集まりだった。

中央高速を走ったのだが、道路の両側の紅葉がきれいだった。2年前の秋、こんな紅葉の頃に、父は亡くなったんだなあ、とあらためて思った。(そういえば、亡くなって2年目なのに3回忌なのだ)

父が、ちょうど今の私の年齢の頃、私はテレビの世界に“転職”した。その前は高校の先生をしていたのだから、オーバーにいえばカタギからヤクザへ、みたいなものだ。父にも母にもずいぶん心配をかけた。

これからも、きっとこんなふうに、「父が今の私と同じ年齢のとき、私は・・・」と何度も思うんだろうなあ。それで、空想ではあるけれど、父と会話をするんだろうなあ。「あの時はさあ・・・」って。