あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

冬の日の朝夷奈峠

2014-01-13 11:08:33 | Weblog


「これでも詩かよ」第58番&ある晴れた日に第194回



朝夷奈峠を登って、熊野神社を通って麓まで戻ってくるあいだに、いろんなことが起こる。

春まだ浅い日の朝まだき、水たまりに忽然とあらわれて交尾し始めたカエルたち。

ある夏の日、大発生して狂ったように飛び回るルリシジミたち。

ある秋の夕べ、突然星月日と歌いはじめたサンコウチョウ。

そしてまだ松の内の今日の午後、いきなりバチバチと爆ぜるような音と共に、
枯れた樹木の梢から豌豆の鞘のようなものが降ってきた。

それらはバチバチバチバチと爆ぜながら、一斉に降ってくる。

どこまで行っても、私の頭めがけて、次々に降ってくる。

私は立ち止り、

その豌豆の鞘が立てる不思議な音を、それがなにかの啓示であるように耳を傾けていた。



   なにゆえにかくまで時代は閉塞するか三橋美智也よ「夕焼けとんび」を歌え 蝶人

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