照る日曇る日第658回
日経広告研究所が毎年夏に同じタイトルの連続講演会を主催し、それを要領よくダイジェストして年末に発行するこの本は、おそらく本邦の宣伝広告販促本のなかでもっとも興味深いもののひとつだろう。
毎度のことながら、いま広告の世界でどんなことが起こっているのかをマーケテイング理論のみならず広告メディア、ネット、SNS、ブランド・コミュニケーションの現場を熟知しているたたきあげの専門家が、具体的な現業とデータに即してその問題点を率直に語っているために、きわめて面白く、かつまた為にもなるのであるんであるんであるん。
今回のハイライトは、いま流行のキーワードである「O2Oマーケテイング」(オンライン・ツー・オフライン、オフライン・ツー・オンライン)や、さらにそいつにしんにゅうをかけ、その上をゆく?「オムニチャンネル」に関する村山らむね氏の「スマホ・タブレット時代の顧客コミュニケーション」講座あたりであろうか。
そこではネットを活用し、割引クーポン、ポイント発行などを通じて「ネットと店舗の双方向誘客」を活性化する「O2Oマーケテイング」や、スマホ、SNS、店舗、ウエブ、テレビなど全方向で顧客のニーズに対応する「オムニチャンネル」の実態が簡潔にレポートされていて、ガラケーの意味をつい最近知り、スマホなど触ったことすらなく、すでに棺桶に片足を突っ込んだ私などにも、それなりに有益な示唆をば与えてくれるのであったあ。
