蝶人狂言綺語輯&バガテル―そんな私のここだけの話op.305
弥生も押し詰まって、残り僅かになってしまった。
世間では次の年号がどうのこうのと、朝から晩までかしましいが、私には西暦さえあれば日常生活には何の不都合もないので、興味も関心もない。それよりこの際天皇制について考えてみようとするひとがこの国に少ないことに改めて驚きと不可思議をかんじるのである。
しかしさいきんの鎌倉の観光客、特に外国からのそれの増大については驚きと不可思議を通り越した異常さを感じる。昔の江ノ電はいつもガラガラだったが、きょうびは地元民よりも外国人観光客が多く、ネットの交通情報を検索すると毎日のように自然渋滞しているようだ。
鎌倉高校停留所付近の道路が映画やテレビドラマの撮影で名所になったそうで、国内外の観光客がさかんに激写して、近くの住民の家の中まで無断で入ってくるという。
市ではさいきん「食べ歩き規制条例」とかを決議したそうだが生ぬるい。むしろその反対に食べ歩きを推奨して、小町通りを往来する観光客同士がパイ投げをしたり、アイスクリームなどをベタベタくっつけあうようになれば、こんな東京資本の跋扈で殺人的な狂騒を極める異常な商店街などには二度と足を踏み入れなくなるのではなかろうか。
鎌倉市の市長はこのせつ流行の無党派の若者で、私は彼が自公に属しないというだけで結構なことではないかと思っていたのだが、さいきん独断で市庁舎移転を広報に掲載したので市民も議会もびっくり仰天。そのうえ彼の熱烈な支持者であった元ミス鎌倉の女性議員が自民党の県議候補者にひっこ抜かれたというので話題になっている。
政策や政治主張はどうでもよろし。インスタ映えならぬポスター映えする美貌?の持ち主なら阿呆莫迦選挙民がこぞって投票してくれるだろう、という自民党の、有権者を舐め切ったなりふり構わぬ選挙戦術に、市長のみならず全市民があっと驚いている弥生の週末である。
万世なんておおむね一系である皇室も猫も杓子も我々も 蝶人