音楽千夜一夜 第425回
1)メモワール盤「ヘルマン・シェルヘンのマーラー交響曲集」5枚組
マーラー演奏の草分けの一人であるシュルヘンが1番(ロイヤル・フィル)、2番(ウイーン国立歌劇場管)、3番(ライプチッヒ放響)、5番(フィラデルフィア管)を振り分ける。彼のベートーヴェンもそうだが、やりたいことを好きなようにやっているので気持ちがいい。
2)メモワール盤「ハンス・クナパーツブッシュのブルックナー交響曲ライヴ集」6枚組
クナの定評あるブルックナーのライヴ演奏の最新デジタル・リマスター超廉価盤ずら。
3番、5番、8番はミュンヘン、4番、7番はウイーンフィル、9番はベルリンフィルを激しく優しく振っています。
3)EMI盤オットー・クレンペラー指揮新旧フィルハーモニア管「ブルックナー交響曲集」6枚組
4番、5番、6番、7番、8番、9番の後期作品を、悠揚迫らず滔々と流すクレンペラー。名指揮者の名演奏を亡きレーベルの超廉価盤で味わって頂きたい。
4)インテンス・メディア盤「フェレンツ・フリッチャイ・コレクション」10枚組
これはたぶん独ドクメンタ盤が改名したか併合されたのではないかと思うが、演奏はみな素晴らしい。
手兵RIAS-Symphonie-Orchesterを駆使したアンダのバルトーク、ハスキルのモザールなどは不朽の名盤である。
5)シャルル・ミュンシュ旧エラート&EMI全録音管弦楽曲集」13枚組
「情熱のマエストロ」による知られざる名演奏がどっさりの落ち穂拾い第全集。
パリ管のブラームス1番も聞き逃せないが、むしろパリ音楽院管弦楽団を振ってコルトーやチボーと録れたモザールやラベルに惹かれます。
6)ワーナー盤盤カルロ・マリア・ジュリーニ「シカゴイヤーズ」4枚組
名指揮者がシカゴで首席客演指揮者をやっていた時代の名曲の名演奏ずら。
マーラーの1番、ベルリオーズのロメジュリ、ブルックナーの9番、ブラームスの4番などを、そこれそ渾身の力を込めて振っています。素晴らしい!
7)ワーナー盤ルドルフ・ケンペ指揮ドレスデン・シュターツカペレ「リヒアルト・シュトラウス全管弦楽曲集」9枚組
新征服社ワーナによる最新デジタル録音による名曲の名演奏、のはずだが、EMI当時の録音のほうが音に核があって聞きごたえがするのは、なんでだろう?
8)ワーナー盤「ニコラス・アーノンクール指揮によるブラームス集」5枚組
アーノンクール指揮バルリンフィルによる交響曲全集と、コンセルトヘボウ菅&ブッフヒンダー独奏の2つのピアノ協奏曲がたったの990円!
ということで買ってみたのだが、なんでまあこんなに詰まらない演奏なのだろう。安物買いの銭失いだったずら。
カザルスのバッハ無伴奏が流れ来る日曜朝の「音楽の泉」 蝶人