蝶人狂言綺語輯&バガテル―そんな私のここだけの話第333回
○創立記念式典/取引先のあいさつ
安藤社長、このたびは創立10周年の晴れの日をお迎えになりましてまことにおめでとうございます。*1
私は日頃から御社にたいへんお世話になっております小柳工務店の小柳と申します。本日はこのようなおめでたい席にお招きいただきましてたいへん感激しております。
さて最近の住宅産業を観察しておりますと、他の業界と同様、大量生産、大量販売の旧態依然としたシステムが崩壊し、お客様のきめこまかなニーズに対応した、個性的でより人間らしい住宅、地球と環境に優しい住宅づくりの時代を迎えようとしているように思われます。*2
安藤建築事務所さんが偉いのは、設立当初の10年前からすでにこのことを予見し、時代を先取りする建築デザインを大胆不敵に提案されていたことです。私はこの10年間安藤さんが、歯をくいしばって頑張ってこられたからこそ、昨今の建築家ブームもあるのだと認識しております。
安藤さん、どうかこれからも周囲の雑音に耳を貸さず、ゴーイングマイウェイの頑固一徹で次に10年もがんばって下さい。*3
小柳工務店は最後まで応援させて頂きます。
○ アドバイス
* 1一取引先として平素の愛顧に深く感謝し、招待されたことに謝意をあらわすのが礼儀である。
* 2主賓の立派な業績に対して敬意を表し、先見の明を称える。
* 3このケースでは、社長同士の親しい付き合いがあることを前提に、取引先としての今後の取組み姿勢を少し捻ったかたちで表現した。
眠る前に消したはずの電球が煌々と照る冬の明け方 蝶人