こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

人生あっという間、私の時間もあと少し。
よりよく生きるにはどうしたらいい?

墓所から

2008年04月06日 | 日々思うこと、考えること
芝増上寺で、徳川将軍家墓所特別公開があり、そこから東京タワーを見上げたところ。
私の家のお墓は鎌倉市内にあって、遠くに海が見える。お墓にはいったい何があるのだろう、何のために、年に2度も3度もお参りするのか…
死とはなにか。生まれた瞬間から人は死に向かって生きているわけだが、人を含めた生物はなぜ、生きなければいけないのか?生きたいと思うのか?死にたくないのか?医療は何のためにあるのか?医療は生きるか死ぬかだけではないが、殺し合いである戦争はなぜなくならないのか?

さて、病理医の重要かつ、最も困難な仕事の一つに病理解剖がある。解剖させていただくご遺体に息はない。メスを入れるときに麻酔はかかっていないし、血のほとばしりもない。私は、一人の科学者として、一学徒としてご遺体の中からさまざまのものを読み取り、そして学び、死との戦いを通じて起こったことを、いま病と闘っている人に還元していく。

すべてがわかるわけではもちろんないが、ほんの少し、歩を進めることが、亡くなられた患者さんへの弔いとなると思って頑張っているが、経験をいくら重ねてもなお難しいものだ。

ちりぬるを

2008年04月06日 | 日々思うこと、考えること
川面が桜の花びらでおおわれている。
桜は散ってもなお美しい。

桜の名所はお花見で、おお賑わい。

日本人ていいですよね。
桜を愛で、鳥のさえずりを楽しみ、川のせせらぎ、虫の声も楽しむ。こういう日本人の心象風景というものは、おそらく世界でも数少ないのではないか。私はあまり映画を観るほうではないが、そんな中でも風景の撮り方は、日本人の監督のほうが、日本人的に美しいように思う。

日本食もそうだが、最近外国人が日本文化、日本の国土に興味を示している。これまで、日本人だけが独り占めしてきたものが、グローバル化で外国人に持っていかれそうな気がして、とても不安だ。