たまには大学へ、といってもサボってばかりだった学生時代の話ではなく、今の私の話。
通常の病理の仕事ならば、たいていは病院の設備か、施設内の研究所でなんとかまかなうことができるのだが、論文発表でもしようということになると、施設内だけではカバーできないこともある。
そんな時は、出身の病理学教室のある大学に助けてもらいに行く。PCRなど分子生物学的な検索は、いろいろな施設、それこそ私の施設でもできるが、病理学という形態学はきわめてアナログな世界であり、そのための手法をもっている人とか、設備というのは最近は少ない。
というわけで、病理学会まで1ヶ月をとっくに切ってしまい、切羽詰まって大学へとでかけた。
夜のカンファレンスも含め、同僚に後を頼み、自分の仕事を片付けてから、少しだけ早めに病院を出させてもらった。
少し遅くなかったが、技師さんは待っていてくれて、ディスカッション。それにしてもさすがは最新の電子顕微鏡。解像度はもとより、操作性も良かった。
せっかく来たので、図書館にも寄って少し調べもの。
いるのは学生か、若い医者。こんな白髪のオヤジ、図書館の閲覧室には少々そぐわなかったが仕方ない。閉館間際まで粘った。
やっぱり、教育機関というものは、懐が深く、たいしたものだと思う。
あれこれ考えないで、なるべく足を運ぶ機会を作っていこう。