村上春樹の"騎士団長殺し"、いつも(少なくとも1Q84を読んだ時)よりはずっと、ノロノロと読んでいる。読了を目指すだけなら(結末を知りたいという)だけならこの連休で読み終えてしまえるだろうけど、どうもそうしたくない。
いよいよ話が佳境にさしかかってきたところで、もう一度最初から読み直そうかどうしようかと悩んでいる。どこを佳境とするかは人それぞれで、ここまでのどこそこが転換点だなどと言いだしたらキリがない。それほど面白くて、読み終わりたくない話になってきている。
とりあえず、"プロローグ"を何度か熟読して、あと、いくつかの重要な(重要だと私が考える)箇所を確認しながら読み返そう。
それにしても、すごいなー、これだけの長編作品をいくつも書けるなんて、本当にすごい作家さんだ。
コロ健、去年の10月に「やりたいことがあって」などとわざわざ宣言してまでブログの更新のペースを落としたのだったのだが、本当のところはそれ、小説を書こうと思ってのことだった。初めのうちは調子よく書いていたのだけど、途中で頓挫。今、私は自分の表出したい世界というものを文字で表すということの難しさを思い知らされているところ。
普段の病理診断報告書を書いていても感じるが、文章で物事を表現するというのはとても難しいことだ。私の上司は「病理診断は、自分に見えていることをありのままに記載しろ」と言う。そうすると、小説などはさしずめ自分の心象風景をありのままに書き出すことだろう。で、結局私にはそれができそうにない。
そもそも昔から、文章は下手だった。
それに、考えてみたら、何年もかけて小説を書くということは、”プロの作家”すなわち”職業”として書くことであり、私のように別の職がある人間が生半可な気持ちでやれるようなことではない。
ということで、小説それ自体はまあ、気が向いたらということにして、こんきもに軸足を戻そうかと思いつつある。
都心は写真が撮りにくいということもある