昨年、小説でも書いてやろうと筆(ノートパソコン)をとったが残念ながら頓挫した。なぜダメだったのかはまた別の機会に書こうと思うので割愛する。とにかく、少し書いてみただけで職業小説家というのはものすごい才能と努力がなくてはいけないということをまざまざと感じた。才能と努力、と言ってしまえばそれぞれ簡単な言葉だが、その二つは不分離で、互いが寄って立つものだ。努力することのできる才能があってこそ初めて小説を書くことができる。
村上春樹の「職業としての小説家」という本を読んだ時、彼の生き方というものが、他の職業人となんら変わることがなく、たまたま小説を書くことを生業としているだけに過ぎないということを知った。もちろん氏は日本を代表する作家であり、プロ野球で言えば王貞治のような存在であり、病理医としての私とは全く次元が異なるところに位置しているのだけど、プロという意味では少しだけ重なっているところはある。
それはさておき、私の小説への挑戦で、半年ほどこのブログの更新が随分とおろそかになってしまった。シカゴブルズのマイケルジョーダンが一時期大リーガーを目指して、コートの上から姿を消していたようなものだ、というのはおこがましいのだけど、何かに例えればというとこんな言い方しか思い浮かばない。
私には病理医という(自分なりの)天職がある。それにプラスワンというのが、"何かを書くこと"だった。中学高校時代に同人誌に参加していた時にも自分の思ったことを書き連ねるエッセイのようなものを書いていた。確かその頃も作家になりたいと漠然と思っていたけどアクションを起こさなかったというのは、結局作家への思いというのもその程度だったということだったのだろう。
この半年で、私にはこのエッセイというか随筆文を書くことが向いているのだとわかった。文章が随分下手になってしまったけど、また一から出直すつとりになって、読んで楽しいブログをせっせと書いていきたい。
花冷えどころじゃない寒さ