人間は自然の猛威に対して怒ることはない。怒っても仕方ないとわかっているからだ。少なくとも人間は、長い間そうやって自然の気まぐれを受け入れてきた。
本当はそうなのに、最近では自然の猛威に怒りをぶつけるような言い方をよく耳にする。どうやらそれは、森林伐採、化石燃料の消費によって変えられてしまった地球環境に対して漠然とした不安の混じった怒りをそれぞれの人が抱いているからではないかと思う。
なぜそうやって、”怒り”に満ちた気持ちを自然に対してすら抱くようになってしまったのかと考えたら、その向こうに、”人間”がいるからだと気がついた。
なんでそんなことに気がついたかというと、9対1ぐらいの割合で、私の方に分があるトラブルが最近あった。
その事態がわかった瞬間、まさしく怒り心頭に発す、という感じで、自分の心臓の鼓動が聞こえ、血圧も一気に上がるのがわかった。血管が切れるというのはまさにそんな時のことをいうのだろう。
でもそこで、「あれ?俺(コロ健)怒ってるの?」と気がついた。
仮にその場で私が怒って、私が言いたい放題言っても、相手は返す言葉もなく、ただ聞くだけ詫びるだけの一方的なものとなることはわかりきっていた。
血圧を上げてまで怒りをぶちまけて、かえってこちらの寿命を縮めて何になるのだろう、と、それじゃあまるで憂さ晴らし。
せっかく健康に気をつけてジムにまで通うようになったのに、そんなことではもったいない。怒りは5秒だか10秒でおさまるというのも思い出し、まずは心を落ち着かせようと、深呼吸した。そして、今度は頬を軽く叩いて爆発したくてウズウズしている怒りを抑えた。
それから、相手に相手のミスでトラブルが起きたことを伝えた。
そして、今沸き起こった気持ちこそが”怒り”だと感じた。この”怒り”を分析したら、私は”怒り”をコントロールできるのではないかと考えた。
(明日に続く)
怒りを向ける相手は人間