人を呪わば穴二つ、という。
人を恨んで呪い殺そうと墓穴を掘っても、その呪いの報いを受けて自分も死ぬから墓穴が二つ必要となるということで、人を憎んだり、呪ったりすることを戒めた言葉だ。
人生の問題のほとんどが人間関係から生じるもので、そのほとんどはよくよく考えてみれば取るに足らないことなのに、問題がどうしようもなく大きくなって収拾がつかなくなってしまうこともある。
私にもそういう気持ちが起こることがある。
もうこれ以上関わることもないのに過去の遺恨が忘れられない。
そういうことを考えるたび、実は嫌な思いをしているのは自分自身だ。
こういう気持ち、どうやったら鎮めることができるのだろう。

起きてしまったことは、変えようがない。
繰り返しになるが、過去は変わらないのだ。
そして、それに関わった人も変わらない。
他人を変えることはできない。
だから、自分が変わるしかない。
恨みつらみで人を呪っても、報いは必ず自分にくる。
因果応報、これぞ人を呪わば穴二つ。
変わることができるのは自分だけだから、自分が変わって過去を過去として受け入れ、人を恨むことをやめる。
二度と同じ過ちを繰り返したくないから、似たような状況を常に想定して警戒しておかなくてはいけないから、人間は嫌なこと、嫌な思い出をそうそう簡単に忘れることはできない。
でも、嫌なこと、嫌な思い出を忘れないでいると、嫌な思いにいつも捕らわれることとなり、心は疲れる。
心が疲れて、ますます自分の恨みの心を増幅させることは百害あって一利なし。
嫌なことを忘れることは大変だけど、それでも早く忘れるようにして、人を恨む気持ちとも早く別れよう。
自分を許す