職場で”ストレスチェック”というのがあって、A43、4ページに3、40の、いやなことありますか?みたいな質問があり、それに、’大いにある’、とか”滅多にない’とかを回答する。こういうのが始まったのは、10年ほど前からだと思うが、初めてやった時は「こんなので、なにがわかるのだろう?」と狐につままれたような気になって答えた覚えがある。
毎年やっているとだんだん慣れて、このところは緊張せずに答えている。そして、毎年、私にはそれほどのストレスはないという返事が来る。いいことなのだろうが、それはそれで自分がノー天気な人物であることを言われているような気がして少しだけ複雑な気持ちになる。この10年間で一番ひどい状況だったときもそうだったので、おそらく人生の半分より前で起きた、私が最悪だと思っている時でも、そう大したストレスは感じてはいなかったのかもしれない。
昨日もそのチェックシートに記入し、封をした。帰る途中、正しく回答できていたかと少し不安に襲われた。開封して書き直そうかとも思ったほどだ。作成側はいろいろな状況を想定して設問を作っているのだろうから、私の些細な不安なども織り込み済みだろう。
職場で記入している時はそうであっても、通勤途中に考えることはまた異なる。さらに、自宅で家族と一緒にいる時もまた変化する。それは心の波のようなものか。自分という存在は常に変わることはないのに、周囲の状況により変わっているというのは一体どういうことだろう。いや、そうではなく、周囲の状況が変わったとしても自分という存在は全く変わることはない。こうして心の変化を客観的に見るのも案外楽しいことかもしれない。
結局、今朝、顕微鏡の前に放っておいた封筒を事務まで持って行って「ストレスチェック」と大きく書かれた箱に入れた。
今年はどんなお返事が?