寒の戻り。
午後には冷たい雨も降るとのこと。
ここ数日気温がずいぶん高かったので、霜が降りるほどでなければ少し寒くなった方がお花にもいいのではないかと想像する。

報道によれば、連日のロシアによる侵略戦争はますます苛烈を極め、戦闘能力を持たない丸腰の民間人の虐殺が続いている。戦争が人間の起こしうる最悪かつ最低の愚行であるということがプーチン大統領によって明らかにされている。
ロシアの愚行が、先の大戦での日本の行った失敗の繰り返しであることが図らずもあらわになり、多くの日本人がやりきれない思いをしているのではないか。あの時の日本も、どれほど米国に締め上げられても戦争さえ起こさなければ、国土が焦土と化すことも、沖縄、広島、長崎の悲劇もなかった。経済封鎖による敗北は時の政府に打撃を与えたかもしれないが、それでも誰かが止めなくてはいけなかったのだ。文官である広田弘毅がなぜ戦犯とされたかを考えなくてはいけない。

そうは言っても、先の大戦と今回のプーチン大統領の起こした戦争との違いはたくさんある。戦争を起こしたのはプーチン大統領その人個人であって、先の大戦での日本とは異なる。そうはいっても、日本軍は天皇の軍隊だったし日本国民は天皇の赤子であったから欧米各国からみたら天皇の起こした戦争と捉えられても仕方あるまい。実際、戦争を終わらせたのは御前会議での決定であり玉音放送だった。そう考えると、戦争によって失われた命に対して涙が溢れそうになる。さらには、いま、まさに命を失い続けるウクライナの人、さらには理不尽な、すくなくとも正義とか国家としての尊厳を守るためではないという意味で、戦争に駆り出され、命を失っているロシア兵にたいしてすら同情してしまう。先の大戦で、日本には一億総玉砕などというスローガンがあったが、プーチン大統領にはそんなことをロシア国民に押し付けないでもらいたいと願う。

プーチン大統領の誤算は経済制裁の重さはもちろんだが、インターネットの発達により、ウクライナへの侵略状況が逐次世界に配信されているということだ。全てをフェイクニュースとするにはあまりにも規模が大きすぎるし、すべての隠蔽行為はあまりにもわざとらしい。可愛らしい小学生らしき女の子が専門家という大人に今回の戦争について質問しているロシアの番組が流されていたが、その少女の顔がロシアのフィギュアスケートの女子選手を彷彿とさせるものだったと言ったら、ロシアへの偏見だと言われてしまうだろうか。
なぜ、資本主義経済の導入により、世界の民主主義国家群の一員として、豊富な資源をもって豊かになりつつあったロシアがこんな暴挙をしているのか、いまだに世界中が首をかしげている。プーチン大統領個人の権力欲が突き動かしているのだが、それにしても尋常な行動とは思えない。月並み、という言い方は戦争被害者の方々に失礼だが、まわりに彼を止めることのできる人物はいないのだろうか。

これから卒業式なのだろう、振袖に袴姿の若い女性が桃の花の下を傘をさして歩いているのが、電車の窓から見える。平和だからこその風景で、日常の中にあるささやかな幸せを私たちは国民皆で力を合わせて守っていかなくてはならない。残念ながら、今の人間の知恵の程度を考えると、戦争を仕掛けてくる国はいくらでもあるだろうから、日本も防衛力を充実させ、有事に備えなくてはならない。その際、アメリカからの助けを最大限受けることは大前提といえる。
みんなで防衛について考えよう