警報級の大雪かもしれないという予報は幸外れた。
鎌倉は雪化粧といってもうっすらとだったので普段の靴でもいいぐらいだったが、勤め先が都内で積雪のあったというところなのでスノトレを履いて出た。
スノトレは温かだし、せっかく買ったのだから使わなくてはもったいないということもある。
”モノ”というものは使わなければ劣化のスピードは遅くなるが、場所をとるだけで邪魔になるので、やっぱり使ってこそのものだ。
高級腕時計をレンタルするという商売をやっていた会社が雲散霧消、社長はトンズラ、という詐欺まがいの事件がおきて、話題になっている。
時計なんてものは使ってこそ価値のあるもので、だからこそ正確なものが求められる。
それで、セイコーもシチズンもカシオも大いに売れたのだが、時刻を知るためだけなら携帯・スマホでよくなり、今度はスマートウォッチが登場した。
私はアップルウォッチを使っているが、時間に追われて生きる人間にとっては有能な秘書だ。
たまにアナログ時計をはめる時があるがその間の身体状況が記録されていないことでなんだか損したように気になるのだから、売っている方はよく考えている。
まあ、こんなように使ってナンボの腕時計だが、財テクに使う人がいる。
高級腕時計がステータスシンボルとなると考える人がいて、それをはめて見栄を張る。
見栄を張りたい人のために、自分で買ってそれを貸す、というようなまあキリのない連鎖がこういうビジネスを生み出したのだろう。
時計は長い間使わないでいたらいつの間にか電池は切れしまう。
何日か1度ははめてやって動かさなくてはならないだろうに、何本も持っていたらメンテナンスも大変そうだ。
それにしても、こういう高級腕時計を人に見せて虚栄心を満たす人というのは、どの範囲の人に時計を見せつけているのだろうか。
「いい時計ですね、ロレックスですか」
「ええ、けっこういいかんじでしょう」
「高かったでしょう、おいくらぐらいしたんですか?」
「ええっと、それはちょっと」
「あれ?もしかして、レンタル?」
なんて会話だってありそう。
使ってあげてこその”モノ”なんじゃないかと私は思う。
私には縁のない話
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