女性心理の不可解さに日々悩む私に、知人が『キレる女懲りない男ー男と女の脳科学(筑摩新書)』という本を紹介してくれた。早速購入して読んだ。
男性脳と女性脳。すなわち男と女とでは思考パターンがずいぶんちがうということが、著者(女性)自身の経験も交えて書かれていた。
この前の学会でもいろいろな発表を聴いていて、男性と女性との違いを感じていた。科学的な観点からいえば本質的に発表の内容に違いは無いのだが、プレゼンテーションの進め方が違う。発表者が男性の場合、まずは結果を誇らしげにアピールし、その後ほかのことを話す。これに対し女性は、結果も話すがその点は控えめで、結果にいたるまでのプロセスに重点をおいて発表する。どちらがいいというものではないし、男女逆もある。ただ、男女で違いがありそうだとはその本を読む前から感じていた。
学会発表には形式があり、1.はじめに 2.背景 3.方法など 4.結果とかまとめ 5.考察 6結語、結論の順で話す。だから、発表のやり方に差はないのだが、男性の場合はもう4と6がいいたくてしょうがないのがありありとしているし、女性の場合はどうも2と3が長い。これが、男性脳と女性脳による違いと理解すれば、こんなものかと思って、話もききやすくなる。
男性は、終わり良ければすべて良し型、これに対して女性はプロセス重視型とでもいえようか。
男女が力を合わせてプレゼンや研究を工夫すれば、素晴らしい成果が出そうだが、それがそうもいかない。男性脳と女性脳が相容れないことが原因にあるのだろうか。
冒頭に紹介した本、妻も読んで、女性なりに納得していた。男女それぞれがそれなりに納得できるようなので、興味があったらご一読をおすすめする。