今日1日、雨は降らないという予報だが、それをなかなか信じることのできない暗い雲が空を覆っている。昨日の朝、取れてしまった奥歯の詰め物の穴が鬱陶しかったが、職場近くの歯医者さんに診てもらうことにした。かかりつけの歯医者さんは鎌倉にあるので通院となると土曜日しかないので、そのことを考え変えた。歯医者さんは当たり外れが大きいというが、良心的な歯医者さんで、外れた詰め物を戻してもらいことなきを得た。虫歯で外れたわけではなく、一安心だった。しばらく(今の職場に通っている)の間は歯のメンテナンスをしていただくことにした。
この前(今もやっているのかな?)gooブログで”渾身の記事”みたいなのを集めていたが、その時は思い出さなかったが、あることがあって思い出した、忘れることのできないエントリーというのがあった。それが、10年前に書いた”あきれたレジデント・・・君のような医者は絶対に伸びない”というもの。春と秋の学会シーズンになると、病理医を自動顕微鏡写真撮影装置のように扱う臨床医がどこからともなく出現してきて不愉快な思いをさせられる。つい先日も、病理診断科に電話してきて、検査技師相手に学会発表のための画像をよこせといって、こちらにあるかないかもわからない画像データを提出させようとする若い医者がいた。
大声で病理の技師さん相手に”できるだけ早めにお願いね”、みたいな上から目線のエラそうな口調で話している声が受付の方から聞こえてきた。技師さんは臨床医相手だから丁重に対応しているが、困っているようだった。”よろしくね”みたいな感じでその医者が去った後、一体どの画像を渡したらいいのかわからないと私に相談してきた。その話を聞いた時点で、この臨床医が病理で作成する画像というのが、”検査機械にポン”という質のものではないということを知らないトンデモ臨床医だということはうすうすわかったが、極力気を落ち着けてPHSに連絡した。
”なんの画像が必要なんでしょうか”
”病理の画像がいるんです、来週あたりが締め切りなんで、もらえませんか”
と、むちゃくちゃぞんざいな言い方をしてくる。どうも、最初に対応した技師さんの上司の技師が出てきたと思っているようだ。
”先生は、病理診断科でどのような写真を撮っているかわからないはず(症例によって、マクロ写真を電子カルテに送ったり送らなかったりする)ですが。先生方が手術場で摘出した検体の写真を撮っているのでいたら、それは、病理には関係ありません。電子カルテに送った写真については、ご自由にお使いください。でも、それ以外の写真についてはこちら(病理診断科)に来ていただいて選んでいただかないと、わかりません”、
とかなんとか話しているうちに、相手は私が病理医だということにうすうす気がついたようで、なんとなく言葉が改まってきた。そうなると、今まで技師さん相手に”超”上から目線で話していたことが余計に腹が立ってきたが、なんとか怒りを抑え、その後こちらで保存しておいた肉眼所見画像を渡した。技師さんに渡してもらったが、その時はずいぶん丁重な様子で取りに来たらしい。
予想通り、学会発表が肉眼所見だけで済むわけがなくて、顕微鏡所見も必要ということで再度やってきた。なんとか技師止まりで私とは会わないでやり取りしたかったようだが、スケジュール合わせも必要なので、技師さんが私のところに連れてきた。
”あれ?来週あたり、ってこの間は言ってたけど間に合うの?”
と、確認すると、自分がぞんざいな口のききかたをしていたのを思い出してか、
”はい、大丈夫です”
と、しおらしく返答する。あまり言うとただの意地悪だし、何より時間の無駄になるので、一応、その”来週あたり”に、間に合うように写真を撮ってあげることにした。
こういう人というのは、自分が相手の時間をどれほど奪い、相手の気持ちをどれだけ無視しているのか、わからないのだと残念な気持ちになるが、他人なんてのはこちらがいくら変えようとしても変わるわけはない。せいぜい、私への接しかたの変化を観察しようと思っている。それにしても、こういうコメディカルに対して威張るようなお医者にだけはかかりたくないものだ。
化石級
わたし、コロ健さん程丁寧な対応はしてないと思いますが、医学生になる前、チリ紙交換のおっちゃんだったので、(医者になったのは32歳:大学中退後に勤めた会社が倒産、ゆるゆるに遊んで暮らしてました!)ゆえにパワハラ路線は大嫌いです。
正義の味方コロ健先生、クソ野郎を懲らしめてやってくださいませ!!
コロ健の対応も素敵でしたね。
もちろん、若い先生です。私もつけ上がっていた頃があったし、いまも注意していないと、周りの人に迷惑をかけてしまうことがあります。この先生が、どうしたら(私の考えるところの)より良い態度を身につけてもらえるように対応してあげようと思っています。もちろん、なにも期待せずにですが。
さて以前からの疑問ですが、医師には、研修中に人格を磨くようなプログラムがあるでしょうか? 勉強することが多すぎて、そんな余裕はないのでは、という気がしますが。
私がこれまで大病院でお世話になった看護師は、若い人も含めて、是非友達になってほしいと思わせるほどの人格者ばかりでした。もちろん仕事だから、そう振る舞っている部分はあるとは思いますが。
一方、医師の方は、すばらしい人もいますが、「え?」と感じるような人もいます。「平均点」を出したら、看護師の方がずっと上です。
看護師には、研修中に患者との接し方を学ぶプログラムなどがあるので、心の部分もきたえられているのでは、と思います。
もし医師にそういうプログラムがなければ、コロ健さんの文章に登場する医師のような、未熟な部分を抱えたままの人がいるのは自然の成り行きかなという気もします。
失礼しました。それではまた。
私の頃にはありませんでしたが、最近では、患者さんのいうことを傾聴する、というようなことは教えているようです。
でも、本質的に必要なのは仕事のパートナーを大切にすること、同僚医師だけでなく、看護師、検査技師、薬剤師、etc、そういったコメディカルの人などに対してどのように接してより良いチーム医療を目指すことを教育しなくてはいけないと思うのですが、なかなかそういったことはできていないようです。
そういうことがわからない人が変わるとは思えないので、自分の背中で示してあげるしかないかと考えるようにしています。