気温が0度の中に出て行くと、さすがに寒い。マスクから漏れでる息で眼鏡が曇って仕方ない。おかしな動悸もして嫌な感じ。年齢を自覚し、少しゆとりをもたないと。雪国から来た貨物車が落としていったのか、新川崎の操車場には雪の塊が落ちていた。
この暮れは忘年会がない。もちろん新型コロナウイルス感染症のせいだが、こんなこと、社会人になって初めてのことだ。そこで、12月から忘年会を取ったら何が残るか考えてみた。
『安全』
遠距離通勤者である私にとって、忘年会は時間との戦いでもある。一次会で切り上げれば電車に乗るのも9時台だからとくに問題はないが、二次会に行くとなると終電の時間をにらみながら、カラオケの画面と時計を交互に見ながらとなる。楽しいのだか、酔っているのか、そんなことなら一次会で切り上げたらいのにと思いもする。これはまあ仕方ないとして、問題はそのあとだ。終電間際の混雑した電車は自分を含め酔っ払いだらけ。でも、そんなとき気をつけないといけないのが、乗客同士の喧嘩と居眠り。一度、ひどく酔っ払った中年男性を睨んだら喧嘩を売られて困ったことがあった。その時は慌てて逃げた。若い頃は、寝過ごして終点で起こされることも何度かあった。これまで、置き引きに遭わずにきたことが嘘の様だ。置き引きに注意する様にというコメントをある時いただき、それ以来注意はしているが、いざ飲んだらどうなるかなどわからない。そんなわけで、まずは安全が出てきた。
『健康』
二つ目はいうまでもなく健康。午前様で帰宅して、2時近くに寝て6時前に起きるなんてことをしたら、それは睡眠不足で体をこわす。酒も抜けきらないうちに寒さの中に出たら心臓にも負担がかかる。もちろん仕事にも差し支えが出る。遠距離通勤の人には、忘年会の日は職場の近くに泊まるなんていう人もいるが、そうまですることか。あと、カラオケで喉もすっかりやられてしまう。
当然のことながら、新型コロナ感染のリスクは低くなる。病院で忘年会をやってクラスターを発生させたらさぞや凄いニュースになるだろうが、そんなことはもちろんしない。それなのに、どうして政治家だとかのお偉いさんは忘年会などやるのだろう。
『お金』
例年この時期、どこの飲み屋もその店の前も混んでいるのに、今年は駅前の飲み屋の中をガラス戸越しに覗くとどこもガラガラだ。今夜など忘年会のピークの日だろうが、普段とあまり変わらない、というか普段以上に空いている。帰宅の電車に乗る人は、皆東京から逃げ出そうとしているかの様にみえる。まるで蜘蛛の子を散らすかの様だ。忘年会の無い年末を過ごしている人は思いのほか多いに違いない。飲食店にはお気の毒だが、感染症が相手ではしかたない。そして、結果として飲食店に払うお金はまるまる手元に残っている。立場上、会費はすこしばかり多く払うから、3度4度となるとバカにならない。経済を回すというのはこういうことだとわからないでもないが、もともと飲まない人もいるので、一概にはいえないかもしれない。
『人間関係』
さて、±として最後に付け加えた人間関係。忘年会といえば、職場やそれぞれのサークルなどでの1年を振り返り、互いの労をねぎらうものだ。メンバー間の親睦を深めるのだが、度がすぎることがある。アルハラ、パワハラ、セクハラとなって、人生棒に振る人だっている。そう考えると両刃の剣。私もアルコールで失敗したことは数知れない。そういった危険がないということはとても心休まる。そんなわけで、忘年会なんてそもそも要らなかったのかも知れないとさえ思う。互いの思いを語りあいたいのならばオンラインでやったらいい。
そんなわけで、12月から忘年会を取ったところで、私にはそれほど困ったことにはならないようだ。
もちろん楽しいことは楽しいのだけど