こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

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病理をめぐるおかしな言い方

2018年11月18日 | 病理のこと、医療のこと、仕事のこと
 ある学会のセッションで、演者が「顕微鏡を見る前に」といっていた。うーん、いつものことながら、顕微鏡とは顕微鏡であって、それは常に眼の前にあってすでに見ている。この場合、「顕微鏡で標本を見る前に」か「標本を顕微鏡で見る前に」が正しい言い方だ。

 病理の言葉は、使っている人が少ないものだからか、使い方には色々な亜流というか流派があって、様々な言い方をする。

(注 私とは関係のない方です)

 いくつか挙げると、 解剖のことをゼク、術中迅速診断をゲフ、標本を深く切り込んで追加標本を作ることをディープカット。"深い切断"て、どういう意味よ。

 解剖は英語でdissectionというが、ドイツ語だと、die Sektion。もともとドイツ医学が入っていたので、これを略して英語ならセクションだけどドイツ語だとゼクチオンで、略してゼク。解剖と、ストレートに言わないうちにこうなったようだ。

 でも、意味知って使っているかは疑問。

   次のゲフとはもともとゲフリールというドイツ語で、gefrorener Abschnitt、英語だとfrozen section、すなわち凍結切片。急速に冷凍した凍結切片を染色して急いで診断するのが迅速診断で、それをこんな風に言う。でも、ゲフって言っちゃあ専門以外の人にはなかなか通じない。

   あと、ディープカットも意味はわかるけど、やっぱりディーパーカットという方が正しい。

   外国語由来の言葉を使うのはカッコいいけど、使う時は正確に使わないと、間違っていた時にはちょっと恥ずかしい。 病理学会で用語集でも作ってくれたらいいのだけど、なかなかそうしてくれないのは残念だ。

他にたくさんあるけど

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