日々の生活、ふと肩の力の抜けてしまうときがある。たとえば、先週末のオンライン学会を無事終えてーーー終えてというか、自分の発表を見届けてーーーホッとしている今のような状態。こんな緊張感が緩んでいるときに、気をつけなくてならないのは、自分の仕事のチョンボ、他人への配慮の欠如、そういったものだ。油断大敵、好事魔多し。
病理診断だったら、大切な所見を見落としているとか、鑑別診断が抜けているとか。病理診断科、病院の業務であれば大事な仕事の約束を丸ごと忘れてしまって、メールの返事を出さないでいるとか。そんなことをしてしまったらどうなるかは火を見るよりも明らかだ。再度点検をしよう。
他人への配慮もそう。これでいいや、みたいな感じになると検査技師のようなコメディカルの人や、事務の人への対応が乱暴になってしまう。そんなことは絶対にあってはならない。私が、こうして気持ちよく仕事をさせてもらっているのは、そういう人たちのおかげ以外の何物でもない。今の職場はそういう点で、とても大事にしてもらっている。こういうときこそ、周囲で私の仕事を助けてくれる人たちへの感謝の気持ちをより一層持つ必要がある。
調子に乗って、浮かれているときというのは自分が一体何をしているのかわかっていない。そういうときの記憶は稀薄で人生の足しになることは少ない。もちろん、そうなるために努力し、その成果を得たところーーー今の私の場合、この間の発表(たかだか小さな学会での講演)ーーーまでは記憶に残るし、努力の成果だ。だが、そうして得たものはその時点で終わっていて、そのことにーーーささやかではあるがーーー安寧し、それがあたかも持続しているような錯覚に陥ってはいけない。自己点検をすべきときだ。
この間の発表での反省点をもう一度見直し、コメディカルの人への感謝の気持ちを今一度新たにして次なるスタートを切る。そんなことを繰り返すことが自らの人生を豊かにしていくに違いない。
妻への感謝も忘れずに