湿度が97%と猛烈に高く、外は朝から風呂場のよう。
外を少し歩いだけで汗が吹き出す。
今年は工事現場以外でも電車の中でも扇風機付きのベストを着ている人が多く、駅のコンコースを歩いていて、突然”ブーン”という音が聞こえて驚いて振り返るとだるまさんのようなおじさんが歩いている。
病院の空調の設定温度が上がったみたいでちょっと暑さを感じるがそれでも涼しく、そんな部屋で仕事をできるのは幸せだ。
それにしてもこのところ、仕事が溜まってしょうがない。
良性の腫瘍など、少し時間的余裕のある人は夏休みのような長期の休み合わせて大きな手術を行う。
とくに、コロナで延期していたということもあって、今年は大きな手術症例が多い。
おかげで、朝から晩まで顕微鏡にしがみついて仕事をしている。
仕事が終わると頭が痺れているのがわかる。
大脳皮質のどこの部分を使っているのかわからないが、顕微鏡で標本をみて、その部分が熱というか、そういうものを帯びている。
ドアの外から中を覗くと、顕微鏡の前でじっとしている私を見たらまるで銅像のようではないだろうか。
それとも、最近は多くの人がPCの前に座っているので大して変わらないか。
そんな病理診断の仕事をしていると、ずいぶん特殊なことをしている医者だと思う。
患者さんの相手を直接しているわけではないが、その人にとってはもっとも重要な診断という部分に関わっている。
もちろん、病理診断が唯一無二の診断ではなく、画像診断や血液、生化学など多くのデータがあって、それらは相互にセーフティーネットとなっている。
ブラックジャックは助手のピノコと二人で全てをやっていたが、考えてみるとピノコという子もすごいコメディカルだった。
ことほど左様に医療現場さらには介護現場、その他もろもろには人手がかかり、お金がかかる。
2024年度の厚生労働省の概算要求が33兆7000億円余りとなったそうだ。
年金、医療に31兆円で、日本というのはずいぶんお金のある国だなどと、その内容よりも、むしろその規模の大きさに驚くが、私たち国民の、命、健康にそれだけかかるということだ。
お金は無尽蔵にあるわけではないので、どこに使うか、どう使うか、ということを細かく考えていかなくてはいけない。
アルツハイマー病の新薬が承認される運びとなったみたいだが、あれは一体いくらするのだろう。
効果のある時期が限られているということだから、費用対効果を考えながら使ってもらいたい。
病理医としてもメスの刃1本、ガウン1枚、標本ガラス1枚もおろそかにしないように心がけたい。
無駄には注意
応援よろしく
コメントお願いします!
金の切れ目が縁の切れ目。。。
医者という仕事が精神的に今ほど大変な時代はなかったんじゃないかな。
だって目的に向かって迷うことなくぶっ飛ばしていくことは、楽。
人の命ってなんだろ。
哲学から始まるの、なんか、現実として迫ってくる気がしてます。
良い一日でありますように(^^)/
人の命、本当に何なんでしょう。
いろいろな命のシチュエーションがありますが、それらを一律に考えることに是非はあるのでしょうか。