一つの研究を行う時、自分でやっていることなんて、実はたいしたことは無い。
臨床の現場であれば、コメディカル(看護師、放射線技師、臨床検査技師、薬剤師など)のおかげがあってのことだし、ラボ(研究室)であれば、実験補助員のおかげである。デキる医学者は、常に謙虚で、このことをよく知っている。
研究を推進するために助けてくれる人への感謝を忘れず、成功したときにはともにその栄誉を分かち合うぐらいの気持ちを持っている。それでも自分が主役になること、脚光を浴びるのは自分であることを、謙虚に受け止め、思い上がらない。
だから、その人たちのためにも頑張る。有能なスタッフはそういう人にこそ集まるべきである。
まあ、このことは医学研究に限らず、臨床医でもそうだし、社会一般でもそうなので、いまさらということではある。
さてこれまでのことをまとめると、
デキる医学者とは、謙虚で、根気よく勉強し、すべてを自分で遂行する強い意思を持った医者、ということになる。
残念ながら、不肖コロ健、これら一つも満たしていない。かくありたいと、夢を書き連ねただけだ。
だが、こういうデキる医者、私の周りにもけっこういることを考えると、世の中にはたくさんいるのだろう。こういう医者と一緒に仕事をすると、自分も高められる。
才能があっても、こういうことを知らないで潰れる若い医者は多い。この文が、一人でもいいからそんな才能溢れる医学徒の目に触れたら嬉しい。
できそうにふるまっているだけのエセ医学者にひっかからないよう、普段から注意しておかないといけない。病理医はこういう医学者モドキの医者に利用されやすいので、特に注意が必要だ。
このシリーズこれで終わり