ここのところ、昔では考えられなかったような不祥事が多い。桜だのカジノだの麻薬だのといったことが次々と報道されている。
政治の不正、利権、薬物問題など、いずれも大なり小なりあった問題だけど、それらに関わった人たちがこれほどまでに衆目に晒されることはなかった。ネットの世界では、多くの人それぞれが批判者となり、擬似当事者としてコメントをする。私ですら判ったようなことをここに書いて、考えを発信できる。やり玉に挙げられた政治家にしても企業家にしてもその他の犯罪者にしてもその人格までコメントされる。数万人の人が多くの目で評価するから、それらの人の人間像がある程度浮き彫りになる。自分が思ってもいなかったような一面まで明らかにされたらいい気持ちはしないだろう。
私が心配なのは、そういう評価をみている若い世代の心の問題だ。今朝、すれ違った小学生同士の会話が、昨晩あった国外逃亡した元大企業トップの記者会見のことだった。内容はさておき、大人の世界ではなにごともうまくいっていないということが明らかになった。日本を取り巻く国際情勢もあまり進展はない。仕事の結果だけがクローズアップされていた頃はそれでも良かったが、そのプロセスや状態が様々な観点から評価されるようになって、大人というのが大したことのない存在であるということがわかってしまっては、若い人たちに向かって将来に夢を持てと言ってもそれは難しいことなのかもしれない。
尊敬される大人を目指す