こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

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よりよく生きるにはどうしたらいい?

ちょっと安心、でもまだまだ心配

2020年03月03日 | 自然災害・事故・感染症
カミュの”ペスト”が人気で大増刷となっているという記事が朝刊にあった。ところがどうやら、今度の新型コロナウイルスはペストほどの脅威とはならないようで、ちょっと安心した。この新型コロナウイルス感染症、未知のウイルス(COVID19)だったが、疫学的データが揃ってきておおまかなことがわかってきたみたいだ。

厚生労働省の「新型コロナウイルス感染症対策専門家会議」からの見解が発表された(文末参照)。これまでのデータでは感染が確認された症状のある人の約80%が軽症、14%が重症、6%が重篤となっているそうで、重症化した人も、約半数は回復していて、それほど致死率の高い疾患でない。現在、問題なく日常生活をおくっている人はかかっても軽症ですみそうなので今後は少し落ち着いて対応しても大丈夫そうだ。
若者が感染を拡散させている可能性が高いという見解には驚いた。今後の感染の拡がりは若年層の行動によるところが大きい。病院というところも若い先生が主戦力となって働いてくれている。彼らのうちの誰かが感染しても、本人は軽い風邪で済むが、患者さんは重症化する恐れがある。医療従事者としてそれは許されないことだから、院内の若手には気をつけてほしいところだ。

これからの卒業式・送別会シーズン、”健康”だけどじつは、”症状の軽い”若者が集まって様々な会を開くだろう。それぞれの人は感染者である意識が無いか、とても低いだろう。そういうところでの感染拡大がとても心配だ。ならばまず若者にマスクを優先して配ったらいいように思うが、カラオケで歌うときは外してしまうだろう。
意外な形で表面化した世代間の健康格差といえるだろう。中高年者にできることを考えたい。

少し落ち着ける

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厚生労働省ホームページ新型コロナウイルス感染症対策専門家会議より抜粋(1, 6)(2020年3月2日)
1.この一両日で明らかになったこと
(1)症状の軽い人からの感染拡大
これまでは症状の軽い人からも感染する可能性があると考えられていましたが、この一両日中に北海道などのデータの分析から明らかになってきたことは、症状の軽い人も、気がつかないうちに、感染拡大に重要な役割を果たしてしまっていると考えられることです。なかでも、若年層は重症化する割合が非常に低く、感染拡大の状況が見えないため、結果として多くの中高年層に感染が及んでいると考えられます。
(2)一定条件を満たす場所からの感染拡大
これまでに国内で感染が確認された方のうち重症・軽症に関わらず約80%の方は、他の人に感染させていません。
一方で、一定条件を満たす場所において、一人の感染者が複数人に感染させた事例が報告されています。 具体的には、ライブハウス、スポーツジム、屋形船、ビュッフェスタイルの会食、雀荘、スキーのゲストハウス、密閉された仮設テント等です。このことから、屋内の閉鎖的な空間で、人と人とが至近距離で、一定時間以上交わることによって、患者集団(クラスター)が発生する可能性が示唆されます。そして、患者集団(クラスター)が次の集団(クラスター)を生むことが、感染の急速な拡大を招くと考えられます。
(3)重症化する患者さんについて
これまでにわかってきたデータでは、感染が確認された症状のある人の約80%が軽症、14%が重症、6%が重篤となっています。しかし、重症化した人も、約半数は回復しています。
重症化する患者さんも、最初は普通の風邪症状(微熱、咽頭痛、咳など)から始まっており、その段階では重症化するかどうかの区別がつきにくいです。
重症化する患者さんは、普通の風邪症状が出てから約5~7日程度で、症状が急速に悪化し、肺炎に至っています。
    
6.全国の若者の皆さんへのお願い
10代、20代、30代の皆さん。
若者世代は、新型コロナウイルス感染による重症化リスクは低いです。
でも、このウイルスの特徴のせいで、こうした症状の軽い人が、
重症化するリスクの高い人に感染を広めてしまう可能性があります。
皆さんが、人が集まる風通しが悪い場所を避けるだけで、
多くの人々の重症化を食い止め、命を救えます。


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