まさに台風一過といった趣の雲ひとつない空。今日からは北風が強くなりそうで、明後日あたりからまた寒くなるらしい。今日の北海道は猛烈な大雪になるということなので、どうしても外出しなくてはいけない方は十分ご注意してください。
気の進まない仕事があって、昨日から元気がなかった。それを見抜かれたのか、朝、駅の近くまで私を車で送ってくれた妻が、降りぎわに
「上に立つ人は笑顔」
と声をかけてくれた。
上といっても私は中間管理職の上の方ぐらいのポジションだが、指示を出せばその通り動いてくれる人が何人かいる。このくらい顔のまま職場に行ったら、その人たちが不安になり、不愉快になるだろうと妻は思ったのだろう。というか、そう思わせるほど暗くて不機嫌な顔をしていたに違いない。車を降りるとき、
「いっ!」
と、無理やり口角をあげた。
そういえば、昨晩、NHKの「逆転人生」という番組で、いわゆる”職人気質”でやっていたら、店の雰囲気は悪くなるわ、従業員は辞めていくわ、おかげで評判は悪くなるわで、赤字に転落したレストランの店主が、サイゼリアにバイト修行に出て、”自分に問題があるのではないか、自分が変わらなくてはいけないのではないか”と発想を変えたという話をやっていた。従業員のいうことに耳を傾け、いいアイディアは採用して、自らも後片付けなどを積極的に行っていくうち、お店の評判は回復し、コロナ禍であっても経営は順調だという。今度、ぜひ一度お邪魔してみたいものだ。
その店主さんは、変わらなくてはならない、と思ったもののはじめのうちは、どういていいかわからなかったそうだ。私もいきなり”笑顔で”といわれても、いざとなるとどこまでできるかわからない。それでも最近、科内でのミーティングを開催することにして意見を交換する機会を作ってきたし、臨床他科とのカンファレンスは赴任してすぐに始め今でも続いている。少なくとも殻に閉じこもることはしないようにしている。それでも、そんな折に私が仏頂面では元も子もない。今日1日、笑顔で過ごす。妻の言うとおりにしてみようと思った。
結果というと、午前中はまずまずの推移。といっても、一人でいる時間が長かったので問題にはならなかったが、時折口をきくとどうも塩梅が悪い。外科の迅速診断を行っていたら、気のいい医長がやってきて、診断をディスカッションしているうち明るくなった。こんな風に周りを笑顔にして、元気をくれる人というのを見習いたいものだと思う。
結局そのあとも調子が出たり出なかったり。気の進まなかった仕事というのも案ずるより産むが易しで、皆で頑張ったら案外楽しく乗り切ることができた。ついつい笑顔のことを忘れてしまったが、それでも時々思い出しては、マスクの下で引き攣りながら、口角を上げながら1日が終わった。
日の出と日の入り