いつもお世話になっている人にお会いするので手みやげに豊島屋の鳩サブレーを用意した。
鎌倉ニュージャーマンのかまくらカスターかレ・ザンジュの焼き菓子もいいが、やっぱり鎌倉土産といえば鳩サブレーが一番わかりやすい。
というか、私だったら鳩サブレーをいただくのが一番うれしいので、人様に対してもそうする。
豊島屋の鳩サブレーとはバターがたっぷりの香ばしい大きなクッキーで高校生の頃、たまに家にあったりすると、牛乳と一緒に2、3枚をあっという間にむしゃむしゃ食べていた。
若いうちに比べて食の細くなった最近では、頭の方から食べるか、尾のほうから食べるか悩みながら、1枚をゆっくり食べる。
鎌倉市民の多くが鳩サブレーが大好きなはずだ。何年か前に鳩サブレーの大きさがステルス値上げで小さくなったのではないか、という疑惑が私の周囲でささやかれたこともあったほど、鳩サブレーに対して興味を持っている。
この件に関しては、誰かが店頭で確認して、抜き型が変わっていないので大きさも変わっていない、という説明をいただき一件落着となっている。
私は、鎌倉出身ではないので、以前は豊島屋が若宮大路にあることも知らなかったし、若宮大路と段葛が同じであるということすら知らなかった。
だが、逗子生まれで鎌倉育ちの妻と、生まれて間もない長男を連れて鎌倉に引っ越してきて、20年ちかく経ち、今では豊島屋というお菓子屋さんは、自分の中にしっかりある。
鳩サブレーの袋に描かれている鳩は白い。
鶴岡八幡宮の鳩はほとんどが白いので、鎌倉育ちの長男や鎌倉で生まれ育った娘などは鳩は白いものだと思っていた。
だから、鳩サブレーの袋にある鳩が白いことに違和感を全く感じていない。
私も、今では鳩サブレーの袋の鳩が白いことに違和感を感じない。
昨日届いた『広報鎌倉(鎌倉市の広報紙)』に、豊島屋が由比ケ浜、材木座、腰越の三海水浴場のネーミングライツ10年分を得たことが出ていた。
豊島屋は「鳩サブレー海岸にはしない」という方針だそうで、このことに関しては、多くの鎌倉市民、神奈川県民が感謝していることとと思う。
鳩サブレーを買ってきた妻も、「これって、豊島屋さんへのお礼よ」と言っていた。
こんなお礼は悪くは無い。
この先、10年、豊島屋でお菓子を買うごとにそんな感謝の気持ちをもつことになるだろう。