今朝もよく冷えていた。テレビニュースでは朝から、政治のバタバタの話、ウンザリを通り越してもう笑ってしまう。新聞も同じような記事ばかり。新型コロナウイルスに対するワクチン接種の準備も右往左往しているみたいだが、自治体レベルの仕事は住民目線できめ細かいからおそらくどこも比較的うまくいくだろう。無駄だけは出さないようにしなくてはいけない。
昨日、私の子供たちと同世代若い技師さんが切り出しについてくれた。包埋用のカセットが機械から吐き出されるのを待っている間、
「(あなたが私の年になる)30年後って、臨床検査とか、病理とかどうなっているんだろうね」
と、話しかけたら、
「どうでしょう、全く想像できませんね。自動化がどんどん進んで、(検査技師の)仕事がなくなっているかもしれませんね。」
と、答えてくれた。
医者を含め、”医療者”がする仕事で機械にできそうなことはあと10年もしたらほとんど開発され尽くし、置き換えられてしまう。病理診断に関してだとどのようなところがそうなるか、容易には想像できないが、その手前のところ、例えば消化管腫瘍の内視鏡診断などはすでに相当な精度で行われているし、画像診断の精度も飛躍的に伸びている。その採取してきた検体の”確認”作業である病理診断は、個人個人のバリエーションが大きいため機械にはなかなか任せることはできない。悪性腫瘍であれば、類似した組織像をネット上から大量に抽出して症例との合致率の高いものを提示してくれるような診断補助装置ができたら病理医は大変助かるが、私のようなニッチな領域までそれが行き届いているかはわからない。ただ、ゲノム医療には病理組織検体の取り扱いが重要となってきていて、私にも新しい仕事が増えている。
臨床はどうか。臨床データからAiが自動的に診断をして、治療方針を決めてくれるようになるだろうから、臨床医はずいぶん楽になるだろうが、結局のところ、実際に患者さんを診るという作業は医者がやらなくてはならないし、急変時は人間でなくてはどうしようもない。介助作業はロボットの方が安全だし、介助者の負担も少ない。介助作業はロボットのオペレーターのようになっていくかもしれない。まだまだたくさん挙げられようが、医療現場の省力化はずいぶん進むに違いない。
医療技術の面白いところは、機械ができることはどんどん機械にやらせるのだが、それではカバーできない人間でないとできない仕事が後から後から出てくるということだ。
私が死にかけているだろう、もしくは既に死んでいる30年後の医療はどうなっているか。進歩した医療の恩恵を受けているか、受けることなく死んでいるかだけど、継時的に見ていったらこんなものかと受け入れいるだろう。まずは、コロナ禍を生き延びての話だが。
省力化と精度向上
やはり、オリンピックはよした方がよさそうです。
なんだか、本気でコロナ退治に取り組んでいないで、オリンピックをヤル気なのか、政府はのらりくらりと中止を決めないようですが・・・。
今回の全豪オープンテニスでのオーストラリア政府の対応は参考になりましたね。
あとは政治家の覚悟ですが、それが一番不安です。