こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

人生あっという間、私の時間もあと少し。
よりよく生きるにはどうしたらいい?

新型コロナウイルスワクチンをめぐり思うこと

2021年08月30日 | 自然災害・事故・感染症
 気がつけば8月30日。2021年の8月はオリンピックに始まり、パラリンピックに終わった1ヶ月だったように感じた人は少なくないのではないか。今や私自身はコロナ禍によるのか時間の流れがなんだかよくわからなくなってしまっているが、オリンピックやパラリンピックの選手の多くがこの時期にピークを持ってきているのをみると、そういう調整のできる人がいるということがわかる。そして逆にそういったことのできない人もいるし、時間が過ぎてしまったことで肉体が衰えてしまった人もいる。時間はすべての人の間を同じ速さで過ぎていく。

 新型コロナウイルスのワクチンが行き渡っていない若年層が予約なしで接種できるようにと東京都が渋谷に開設した接種会場で接種を受けたくても受けることのできない人が多数出ているという事態に陥っている。1日に接種のできるのは200人分で、倍率は6倍とか。企業単位での接種数と比較してもいかにも少なく、列に並んだ人が気の毒でならない。これでもなんとかかき集めることのできたワクチンなのだろうから東京都を責めるわけにはいかないが、接種を受けたくても受けることのできない方のことを思うと、自分が接種してもらうことのできなかった時期の不安が思い出されて胸が締め付けられる。ワクチン供給、なんとかしてあげられないだろうか。

 ワクチン接種について反対する人も少なくないようだし、反対論が荒唐無稽なおかしな論理だと決めつける気はないが、現在人類がコロナ禍をくぐり抜ける方法が他にないのだからワクチンに頼ることは仕方がない。とくに今、妊婦さんをどう守るかということが喫緊の課題となっている。妊婦さんを守るということは、妊婦さんはもとより、その宿している赤ちゃんを守るということでありすなわち、次世代の命を守るということだ。

 コロナ感染関連の組織として提出された検体を診断していると、状況の深刻さを実感する。妊婦もしくは今後妊娠する可能性のある人、さらにはそのパートナー、家族などのワクチン接種による感染防止の必要性を、私の知る産科医、研究者に病理医としての見解を伝えている。他に防ぐ方法のない、今まさに進んでいる問題であるということを多くの人に知ってもらいたい。そんな時期、モデルナワクチンへの異物混入問題は実に痛い。速やかに原因を究明してワクチン接種体制を正常化してもらいたい。
総力戦

ブログランキング・にほんブログ村へお願いします










最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
現場からの声は貴重です (ゆり)
2021-08-30 09:04:33
こんにちは。

わたくしはファイザー2度接種済みです。(前期高齢者)
親族には接種の前日まで考え直してとメッセージが来ました。

しかし、多少身体にダメージがあろうと現実問題ワクチン接種で、
8553これからの日本を築いていく若い命を守らなきゃの気持ちでした。

>その宿している赤ちゃんを守るということでありすなわち、次世代の命を守るということだ。

今の若い方々の精神疲労が、いくらかでも少なくなりますように!!

コロ健さんもお疲れでしょう。お身体お気をつけて乗り切ってくださいね。
返信する
Unknown (コロ健)
2021-08-30 13:40:40
ゆりさん、ありがとうございます。
若い人のほとんどは、おそらくまじめにワクチンと対峙しているのだと思います。そして、妊婦さんなどは赤ちゃんを守るのに必死だと思います。
ワクチン接種を控える方はそれでもいいですが、噂とかそんなことでワクチン接種を妨害するようなことはあってほしくありません。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。