新人のみなさん、に限らず、新年度を迎えた勤め人のみなさんは、朝晩の挨拶をきちんとしているだろうか。
私は、社会人1年目のときに、ある臨床検査技師さんに挨拶を覚え込まされた。
職場に行ったときに、その技師さんが「おはようございます」と言ったような気がしたのだが、気がつかず、返事をしなかった。そもそも、私よりはるかに年長の技師さんに私から挨拶をしなかったのがいけないのだが、とにかく返事をしなかった。そして、私はそのまま仕事の話かなにかをはじめてしまったのだが、その技師さんが、もう一度「おはようございます」と言ってきた。そこで、私はすべてを理解した。私は朝の挨拶をしていなかった、さらに、わざわざ挨拶してくれた人に対して大変失礼なことをしていたということも。
それ以来、できる限り、朝の挨拶は欠かさずしているつもりだ。社会人1年目、というか初日だからそれ以来だ。
朝の挨拶をするのは当たり前のことだが、なかなかそれができない人というのは多い。こういう人は、自分の家でも挨拶をしていないのだろうと思う。
朝に限らず、挨拶というのは相手への敬意だ。親に対しても、連れ合いに対しても、子供に対しても、職場の同僚に対しても、どれも同じで、他人に対する敬意というのが挨拶に凝縮されている。
だから、挨拶をおろそかにする人というのは、他人をおろそかにしているということになると、私は思っている。
だから、ほぼ初対面のときに、挨拶を返さなかった私は、その技師さんに敬意を持っていなかったということになるし、そのことを、その技師さんは気づかせてくれた。20数年前のことなのに、昨日のことのように覚えているのはそのような意味がある。
私は、挨拶ができない人というのは、他人に対して敬意を払っていない、もしくは敬意を払うことができない人、と考えている。
こういう人と付き合うと、ろくなことはないので、挨拶ができる人、挨拶ができない人、というのは人を評価する時、良い尺度となる。
もちろん、いい年をして挨拶ができない人とはなるべくなら付き合いたくない。
新人のお医者さんで、これを読んでいる人がいたら、是非、常に挨拶をするよう努力してほしい。
患者さんや医者同士はもとより、看護師さん、検査技師さん、薬剤師さん、事務の人、お掃除の人、職場で接する人誰にでも一度は挨拶してみたらどうだろう。
一週間でいいから努力してみたら、残りの一生、挨拶ができるようになる。そうしたら、あなたはもう、それだけで立派なお医者さんになっているだろう。
世の中には人見知りの人で、挨拶ができない人というのがいる。社会人になったら、それでは通用しないので、是非挨拶ができるようになってほしい。
あらためて私もやってみます
おはようございます