こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

人生あっという間、私の時間もあと少し。
よりよく生きるにはどうしたらいい?

それが若さというものか

2019年07月16日 | 日々思うこと、考えること
昨日、息子が少し多めの洗濯物と一緒に帰ってきて、一晩寝て朝一番で帰っていった。
食事の時に、「3連休って、いいね。こんなにゆっくりできるなんて、ホント、うれしい。」と二度も言っていた。普段忙しいから、余計にそう思うのかもしれない。
食事が終わる頃になって、「さ、明日から仕事だ!」と、私の顔を見てにこやかに、そしてきっぱりと言った。」
ずいぶん切り替えがしっかりしているものだと、少し驚いた。

息子を見送った後、妻に、
「すごいね、あの子は、あんなに切り替えができて。」と言ったら、
「それが”若い”ということなのよ。」と返された。

ああ、なるほど、私がそういうことが苦手な人間というわけでは無いのだと思えて、少し元気になった。
あまり気合を入れないで、ぼちぼちスタートしよう。

梅雨もあと一週間

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寿福寺の苔

2019年07月15日 | 犬との暮らし
今日も雨もしくは曇り。
午前中に緑内障を患ったナイトを犬猫病院に連れていった。左眼の眼圧がまた上がっていて、お薬を増量することにした。右目は大丈夫。

昨日、友人夫妻を拙宅にお招きした。連れ合いは鎌倉が初めてということで、雨は降ったり止んだりだったがせっかくなので、有名どころを少し案内した。
お連れしたのは寿福寺。鎌倉五山の第三位という格式の高いお寺。参道の両側の苔が見事で有名だ。昨日もお湿りのおかげで美しかった。
拝観日は限られていて、お庭は門の外から拝見した。

傘をさしたりたたんだりしながら、鶴岡八幡宮もお参りできて、大銀杏が倒伏した時の話などもすることができた(春雷 - 2010年3月11日 東日本大地震がこの1年後とは)。
もう少し、案内上手になりたいので、積ん読になっている鎌倉検定の本でも読んでみよう。

今度は大仏に連れていこう

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ナイトの緑内障

2019年07月14日 | 犬との暮らし
フラットコーテッドレトリバーのナイト。数日前から目をしょぼつかせて、少し元気が無く、ちょっと変だなと思っていた。
目を綺麗にしてやるぐらいしかしないでいたら、ある日急に目を開けなくなってしまった。かかりつけの動物病院に行ったら、いつもの先生がいなくて、代わりに診てもらった先生にアレルギーでしょう、なんて言われた。
それでも妻は心配で、いつもの先生に改めて診ていただいたら緑内障との診断。
緑内障とは眼圧が上昇して視神経が障害され、視野障害などの視機能異常をきたす疾患群で、人間では糖尿病性網膜症と並んで失明の原因のトップだ。犬では、高齢の大型犬、中型犬がかかりやすいとのこと。眼圧が上がることで、頭の中をハンマーで叩かれたような頭痛を感じるそうで、ナイトもそうなのかと思うと可哀想になる。
治療は点眼薬と痛み止め。
病院で治療してもらって、眼圧は下がったようで、落ち着いている。
夕方、少し雨が病んだので、ちょっとだけ散歩にでた。ゆっくりだけど歩くことができた。
 
 

頑張って

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人を恨まず、自分が変わる

2019年07月13日 | 生き方について考える
人を呪わば穴二つ、という。
人を恨んで呪い殺そうと墓穴を掘っても、その呪いの報いを受けて自分も死ぬから墓穴が二つ必要となるということで、人を憎んだり、呪ったりすることを戒めた言葉だ。
人生の問題のほとんどが人間関係から生じるもので、そのほとんどはよくよく考えてみれば取るに足らないことなのに、問題がどうしようもなく大きくなって収拾がつかなくなってしまうこともある。
私にもそういう気持ちが起こることがある。
もうこれ以上関わることもないのに過去の遺恨が忘れられない。
そういうことを考えるたび、実は嫌な思いをしているのは自分自身だ。
こういう気持ち、どうやったら鎮めることができるのだろう。
起きてしまったことは、変えようがない。
繰り返しになるが、過去は変わらないのだ。
そして、それに関わった人も変わらない。
他人を変えることはできない。
だから、自分が変わるしかない。
恨みつらみで人を呪っても、報いは必ず自分にくる。
因果応報、これぞ人を呪わば穴二つ。
変わることができるのは自分だけだから、自分が変わって過去を過去として受け入れ、人を恨むことをやめる。
二度と同じ過ちを繰り返したくないから、似たような状況を常に想定して警戒しておかなくてはいけないから、人間は嫌なこと、嫌な思い出をそうそう簡単に忘れることはできない。
でも、嫌なこと、嫌な思い出を忘れないでいると、嫌な思いにいつも捕らわれることとなり、心は疲れる。
心が疲れて、ますます自分の恨みの心を増幅させることは百害あって一利なし。
嫌なことを忘れることは大変だけど、それでも早く忘れるようにして、人を恨む気持ちとも早く別れよう。

自分を許す

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また、雨、それも結構しっかりとした

2019年07月12日 | 日々思うこと、考えること
おとといは、梅雨の晴れ間となって、花火大会も無事開催され、大成功だったようだ。夜には久しぶりにお月様を拝むことができた。
きのうは家を出るときはくもりだったけど、午後になって雨、そして今朝はしっかりとした雨、大雨だ。気温はさほど上がっていないので、過ごしやすいといえば過ごしやすいのだが、半袖だと肌寒さを感じる。今日はジャケットを着て出てきた。
6月下旬からの日照時間が極端に少ないようで、関東地方では平年の20%を下回っているそうで、農作物の収穫にも影響が出始めているとのこと。不作となることが心配だ。
ひまわりもなんと無く元気がない。
この天候、この先まだしばらく続きそうだということで、元気が出てこない。
今週末はせっかくの連休、晴れ間がのぞいてくれたら嬉しいのだが。

やったね!はやぶさ2

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花火の音を背中で聞きながら

2019年07月11日 | 日々思うこと、考えること
鎌倉はこじんまりとした街だ。鶴岡八幡宮から海までの若宮大路が街の中心で、そこから東西に広がる。東は朝比奈あたりまでは平らなところがあるが、そんなところも少し歩くと崖のようなところに当たってそれ以上は進めなくなる。西はすぐに源氏山から稲村ヶ崎まで続くがこちらは海の方に広がるが、こちらもそれほど広くはない。
昨晩は鎌倉花火大会があり、仕事を終わらせて急いで帰った。駅に着いたのは19時半で、すでに始まっていた。不意に、”どーん”という背中からの大きな音に驚いた。改札を出ると改札口への誘導柵が延々と駅前広場に設置されていた。花火の間は仕事がないから、交通整理の誘導員やお巡りさんも手持ち無沙汰そうだ。
この時間から海に出るのは不可能なので、八幡宮から妻と見物することにした。段葛を山に向かって歩くと、花火の音が背中から聞こえてくるほかに、周りの山にも反響して返ってくる。こういう感じが鎌倉の街の小ささを感じさせてくれて私は好きだ。
 
三の鳥居の前で妻と落ち合い、太鼓橋の横の橋の欄干に寄りかかりながら30分ほど楽しんだ。花火が終わると、辺りにいた人のほとんどが、駅ではなく、山の方に帰っていく。みなさん、近所の方達なのだろう。娘は小学校時代の同級生と昼間から海に行って場所を確保して見物したらしい。
今朝、ナイトの散歩をしていたら、「お父さんが(段葛の)二の鳥居くぐって歩いているの、見えましたよ、ナイトくんも一緒かな?なんて思ったんですが。」と声をかけられた。「ああ、そうでしたか、昨日は妻と太鼓橋から見てましたよ。この子(ナイト)は流石にお留守番でした。」と返事をした。
鎌倉に越してきて25年経ち、顔見知りもずいぶん増えた。

来年はどこから見よう

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連載小説、今週はお休み、そしてソヨゴの花

2019年07月10日 | 日々思うこと、考えること
5月23日から毎週水曜日に載せてきた連載小説「献立アプリ」、先週第7話まで進んできて、いよいよ佳境に入ってくるところだったのだけど、やっぱり続けて書くというのは大変。小説なんて好きなように書けばいい、とはいうものの自分で読んでつまらなかったらしょうがない。2、3日前から書き始めたのだけど、そうなるとブログの方がおろそかになる。仕事やら何やらのメールの処理だの、論文読みだの講演の準備だのとなるともう手一杯。往復4時間のうち3時間ぐらいはこのようなことに費やすサイクルでやっているが、小説についてはやっぱり難しい。
ということで、今週はお休みします。楽しみにされていた方が、いらっしゃったようでしたらお詫びします。私だったらちょっとがっかりします。でも、つまらないものを書いてもどうかと。
あと一週間、考えます。

ところで、わが家のソヨゴ。いわゆる”シンボルツリー”として、10年前に植えたのだが、気がつけば2階の高さまですくすくと育った。そして、今年はとてもたくさんの花が咲いた。春先には元気が無くて心配していたのだけど、花を咲かせる準備のためだったのだろうか。
木の下にいると甘い香りがただよってくる。蜂や蝶も集まってくる。種ができたら小鳥も来るだろうか。

今日は晴れるかな

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街角のアジサイ、シモツケ

2019年07月09日 | 日々思うこと、考えること
夕方、街中、といっても住宅街を歩いていたら塀の上からアジサイがこぼれるように咲いていた。7月も中旬に差しかかり今年のアジサイも終わりに近づいてきたが、まだ残っている株も少なくない。それよりもクチナシの方が追いこすように茶色くなってしまってきたのが少し残念。
金網から顔だけ出しているように咲いていたのはシモツケ。今が盛り。こちらもがんばっている。
昨日は少しひんやりと感じるほどの涼しさ。湿度はどうだったかわからないけど、楽に過ごすことができた。しばらく、25度に届かない日が続くようで、今度は日照不足、低温が心配になる。
普段過ごしやすく、適当に雨が降って、などという都合のいい気候なんてありえないように思うが、この国土は十分その要件を満たしている。資源小国といわれるが、これほどの自然はそれだけで十分な資源であるといえる。

たまにはカラッと晴れて欲しい

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終活としての断捨離

2019年07月08日 | 日々思うこと、考えること
昨日の納戸整理には私も参加した。
息子が出て行き、娘も留学でしばらく居なくて四人で暮らすために建てた家が、私たち夫婦にはひろすぎるということ、そして私たちの家にはいらないものが多いということを感じるようになっていた。妻も同じようなことを考えていたようで、まずは息子の衣類やら不要となった教科書読まなくなった雑誌漫画を処分させた。そして、帰ってきてまだ間もない娘にも、あれこれ整理をやらせた。
妻の日頃の断捨離のおかげで、私のものはそれほどないのだが、家族共通で使っていたものが知らず知らずのうちに増えていた。そして、それらの整理のためのいわゆる”整理ボックス”が欲しいというので、IKEYAに探しに行った。
2人であれこれ話しながら陳列品をみていたら、セール中ともあってか、掃除機収納セットが半額以下に割り引かれて売られていた。私も以前から掃除機のホースの始末に困っていたことも知っていたので、結局買うことに同意した。
 
ところが買ったはいいが、家具を設置する壁面がない。整理グッズが多いというのがわが家の特徴で、それらをどう置くかがむしろ日頃の問題となる。
結局納戸の中のものを全部一旦外に出して、その一部に取り付けることにした。汗だくになりながらなんとか取り付けてみたら、予想に反して塩梅良く収まってくれた。そこまではよかったのだが、外にはその納戸から吐き出された10年分の品々が山積みとなった。
とくに多かったのが防災関連グッズ。東日本大震災の経験から水、ローソク、カセットコンロのボンベなどの備蓄品が意外と場所を取っていた。偶然にも、今朝鎌倉が停電に見舞われたので、この件に関しては常に備えるしかない。
それらを残した上で、買い物袋、使わなくなったマグカップなどが出てくる出てくる。どうなることかと思っていたけど、休憩後私が少しうとうとしていたら、いつの間にか半分になり、4分の1となって、最後は綺麗に片付いた。
かねてより、妻は掃除の天才と思っていたのだが、今回のことで改めて見直した。
先週、娘にも手伝ってもらい整理したという屋根裏収納も改めて見せてもらって、ここもまた子供の思い出の品々はじめちょっとすごい状況だったのが、置いてあるものを見渡すことができるほどに片付いていてびっくりだった。
夕食は妻に代わって娘が作ってくれた。三人で食べながら、私が「もう今から死ぬことに向けての断捨離だね」といったところ、妻は娘に対して「私たちがいなくなった後、あなたが困らないように、今からモノを減らしておかないといけないから」と真顔で話していた。たしかに、立つ鳥跡を濁さずという、私もいつもそういう思いで生きていかなくてはいけないのだろう。

コロもナイトもいい子にしてました

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一日中ふったりやんだり

2019年07月07日 | 日々思うこと、考えること
朝から晩まで雨。
なんとかナイトの散歩に出かけようと思ったが、それすらできなかった。
基本的にパラパラと弱い雨が降っているのが、時折急に強く降ってくることの繰り返し。
気圧が低いせいか頭が痛く出かける気もならない。
結局夜まで一歩も外に出ないで過ごした。雨も夜までふったりやんだり。
やったことは・・・納戸の整理(大工仕事も少々)、ナイトのブラッシング、コロとナイトへのエサやり。
書き仕事、少し。
この記事。
何をしたかといえば何かしたけど、大したことをしなかったといえばそうなる。

錦織圭がウィンブルドンベスト16。いよいよこれから、頑張って!
石川遼が全日本プロゴルフ選手権初優勝。よかった!

こんな日もある

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梅雨のジメジメ、間を縫って

2019年07月06日 | 犬との暮らし
久しぶりの土曜休み、少しゆっくりできる。
でも、今日の鎌倉は朝から霧雨だか止んでいるのかわからないような空模様。
ちょっとだけ、空が明るくなったので、ナイトの散歩。道路は湿っていて、小さな水溜りも残っていたけど、気温がさほど高くなかったせいかナイトはペットボトルを加えて颯爽と歩いていた。
家に帰り着くと疲れてしまうのだけど、今日は帰ってきてからも元気だった。
今は、原稿書きなどしている横で、じっとしている。
コロはどうしたかと思って見に行ったらスヤスヤ寝ていた。
私が近づいたのさえ気がつかない(のか、無視しているのか?)。

梅雨早く明けないかな

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今日も一日笑顔でいよう!

2019年07月05日 | 妻の名言
出がけに、妻からで「今日も一日笑顔でね。」と言われた。
「健ちゃんは、切羽詰まると怖くなって、声をかけづらくなっちゃうから。」とその理由も付け加えられた。
「そういうのって、他の人も同じじゃない?」と反駁すると、
「そんなことないわよ、みんなそういうのは表に出さないでいるものよ。」
「元々、おっかない人だっているじゃない。」
「そんなことないわよ、みんなもとはいい人なんだから。」
 
たしかに、私は仕事がいっぱいいっぱいになると近寄りがたくなると言われたことがある。それをたしなめられたこともあった。私としては、仕事に集中しているだけで、誰かに当たっているわけではないので、罪の意識はあまりないのだが、それでは社会人としては不十分ということだし、妻からみたらまだまだ改善の余地がある、ということなのだろう。
周囲から何も期待されていなければそんな必要はないのだろうけど、私のような人間はそうあるべきということなのだろう。
私のそういうところを一番よく知っている妻がそのことを口にしたからにはここのところの私は危険水域近くにいるのだろう。危うく、氷のカーテンをしてしまうところだった。
 
笑顔笑顔で、一日を過ごそう!口の形を笑顔にするだけでも違うというから、そうしよう。
 

危なくなったらブログを見る

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怖い風雨に備える

2019年07月04日 | 日々思うこと、考えること
ちゃんと勉強したことではないので、間違っていたら恐縮だが、7月に入ると大雨が多くなる。太平洋高気圧が勢力を増すことで、梅雨前線が北に押し上げられ停滞するからなのだろう。
今年は九州南部、鹿児島が大変なことになっている。がけ崩れで亡くなった人がいるとか、土砂で家が押しつぶされたという報道を聞くと、お気の毒としか言いようがない。
私の家も人ごとではなく、家には裏山があるので多少、心配だが、まだ崩れるほどではないとたかをくくっている。避難所も開設されていないからいいだろう、とも。こんな按配だからいけないのかもしれない、と妻と話す。
ニュースでは最大級の警戒をするように連日報じている。実際に亡くなった方、家を失った方がいるのだから、もっと報道してもいいのではないかと思うが、そうもいかない。でも、たくさん報道してくれるおかげで、大雨に対する想像力は増す。今は鹿児島だけど、いつ、九州北部、中国、関東にこのような被害が出るかわからないわけで、狭い日本、他人事ではない。梅雨のない北海道以外はリスクは同じだと思っていた方がいい。
いつも被害のことを考えていたら、いざという時に、いよいよ来たかと思える方が対応も早くできる。

帰ってきたら夜空に星が!

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「献立アプリ」第7話・・・消えたヒーロー

2019年07月03日 | 料理・グルメ
第6話からの続き)
警察での事情聴取が終わってから、家に帰り着いたのは終電1本前の電車だった。事情聴取の順番を待つ間、スマホで事件の概要を調べた。
事件発生後2時間の段階で分かっていたのは、犯人の男が職業不詳の46歳。動機はわかっていない。被害者は6人。私のすぐ横で腕を切られた女の子は中学生で、軽傷だったとのこと。お腹を刺された初老の男性と、背中を刺された中年男性はいずれも重傷だが、一命は取りとりとめたようだ。このほかに、3人、女性2人と男性1人が、腕とか脚を切られたとのことだ。被害者はなんの罪もない人ばかりだった。
 
犯人は周囲にいた人の協力によって取り押さえられた、とネットニュースでもすでに報じられていたが、その顛末、すなわち、キムチ桶が犯人の男に命中したことと、男を取り押さえた2人の売り子については何も言及されていなかった。みんなの協力というよりは、男を捕まえてくれたはあの2人だったのに、だ。
スマホニュースにそのことが書かれていないのなら、SNSの動画にアップされているのではないかと探してみたがやはりあの2人は出てこない。それどころか、あたり一面がキムチだらけになった画像もない。
出てくるのは男を遠巻きに囲む人たちを後ろから映した動画しかなかった。プライバシーに配慮しているのか、警察の捜査に影響でもがあるからなのだろうか。
 
警察の事情聴取では、私が目撃したこと、すなわち目の前で女の子と男性2人が傷つけられたこと、そしで、いよいよ自分もお終いかと思ったところで、キムチ桶が飛んできて、キムチを売っていた売り子が助けてくれたことを話した。私の話を聴いた捜査員は、その状況をいぶかしむこともなく、私が話すことを淡々と記録していた。
後日、話を聞かせてもらう必要がいるあるだろうからその時は連絡が自宅にくるということ、カウンセリングが必要ならすぐに手配すると言われた。カウンセリングについては今日のところは結構ですと、配慮にお礼を言って警察を出た。
 
帰宅してからみた夜のニュースでも、キムチ桶の話はでてこなかった。
どうしてだろうと妻に話したが、妻は私の話の方に半信半疑だった。
警察では話さなかったが、今夜のわが家のメニューはキムチ鍋の予定だった。妻からのリクエストでキムチを買って帰ろうとしていた矢先、この事件に巻き込まれた。
あの階段を登りきったところで、目の前にキムチフェアーのワゴンがあるはずだったが、現れたのは凄惨な通り魔事件だった。男が取り押さえられたあと、妻には「ごめん、すごい事件があって、キムチ買えなかった。僕は無事だから。」とだけ、アプリで連絡した。
「何かあったの?大丈夫なのね。」
と返事が来てからは、警察の人への説明やら何やらでやりとりができなかった。妻もその後ニュースで状況を知って、何通かメッセージをくれていた。断片的にやり取りし、「ところで、今夜の夕食どうなった?」と入れたら、「あるものでなんとかするから心配しないで。」と返信があった。
 
思っていたよりも帰宅が遅くなってしまったので、普段通りの量では胃がもたれるからと、夕食は鮭茶漬けと豆腐サラダにしてもらった。
「ねえ、結局、キムチは買わなかったのよね。それにしてはスマホにキムチの宣伝が急に入ってくるようになったの。なんでだろう。」
「あれ、そっちも。僕の方もなんだよ。僕が買えなかったから、どこかで買ったのかな、と思っていたのだけど。」
「ううん、あの連絡のあと、何かあったら困ると思って、家にずっといたわ。」
「そっか、何が起きているのかな。」

キムチ鍋食べたかった

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第8話に続く


人の苦労は私の苦労ではない・・・2019年6月の読書記録

2019年07月02日 | 読書、映画、音楽、美術
自分で小説(らしきもの)を書いてみると、ずいぶん大変な作業だと思う。少なくとも片手間ではできない。いまのところ、下書きをみなさまに読んでいただいているような状況で恐縮だが、そのうち本腰を入れて描くようになるかもしれない。
何かを書く、ということは、自分の考えを世に問うということだ。その必要があるかないかはよくわからない。Think clearlyの中で、「世の中にあるものの9割は不要」というようなことが書かれていたが、そうだとするとわれわれのほとんど(=9割)は不要なものを世の中に排出するためだけに生きているということになる。そんなことをいうと、人間の9割が不要、役立たずとなるが、そこがそうならないところが面白い。


読んだ本の数:2
読んだページ数:638
ナイス数:29

感想といってもなかなか難しい。この本が20年前に出ていたらずいぶんすごかったが、どのテーマも誰かからの引用で、目新しさは無い。どのテーマもとても客観的で、醒めている。実はそうすることが人生の質を高めることにつながるのだろうけど、どこかシニカルだ。第一、何かに夢中にはなってしまう愚か者が世の中にいてくれなければ、人間社会は何一つ楽しくない。馬鹿がいて、自分も馬鹿だから、世の中は楽しく魅力的なのだと思う。もちろん、良書です。
読了日:06月30日 著者:ロルフ・ドベリ

交通会館の三省堂で、サイン本があり、キャッチも面白そうだったので、手に取った。場面の展開のテンポがよく、少しだけ推理小説のテイストもあって、サクサク読み終えることができた。女性目線で描くことに成功していて、器用な作家さんだと思う。あまり幸せとはいえない女性二人が近づき、離れていく。最近、不幸な女性を主人公に据えた小説が増えてきたような気がするが、これって、実際そういう人が増えているからということなのだろうか。
読了日:06月07日 著者:今村夏子

あしたは

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