きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

ストップ生活保護改悪 私たちの声を聞いて① 基準下げで外れる不安

2013-03-05 22:45:07 | 予算・税金・消費税・社会保障など
ストップ生活保護改悪 私たちの声を聞いて① 基準下げで外れる不安

「命を守る最後のとりで」―生活保護制度。安倍政権は、利用者の生活実態を見ず、声もまったく聞かないまま、生活扶助基準の引き下げなどで保護費を3年間で740億円も削減する方針です。基準の引き下げは10%を上限に平均6・5%。96%の世帯が減額されます。「いまでもぎりぎりの生活です。私たちに死ねというのでしょうか」。こう訴える当事者たちを訪ねました。(西口友紀恵)



基準下げで外れる不安
「国がいうように生活保護費が引き下げられると、うちは保護制度からはずれるのではないか。不安でいっぱいです」。大阪市の山口雅子さん(74)=仮名=。夫(79)と2人暮らしです。
夫は長年、護岸工事などの潜水の仕事(ダイバー、自営業)に携わりました。年金は2人合わせて月に7万4千円。雅子さんが病身を押して週に5日、掃除のパートで働き、月5万円余の収入を得ています。
しかし、これでは暮らしていけないため生活保護費を月約千円~3千円(働く日数で収入が異なるため月によって変動)受けています。
来年度、保護費の基準が引き下げられると、山口さんは制度の対象外になってしまう可能性が大です。



保護基準の引き下げで保護からはずれてしまうのでは、と不安を訴える雅子さん=大阪市内

毎日薬欠かせず
「すぐに困ってしまうのが医療費です」と雅子さん。いまは生活保護で、薬や検査などの医療費負担はありませんが、保護からはずれるとすぐに自己負担がかかってきます。
以前、心筋梗塞にかかり、いまも毎日薬が欠かせません。腰が悪く、座っていても常に両足先までしびれている状態で、医師に手術を勧められています。心臓も腰も3カ月に1度検査が必要です。
夫も、右半身にまひがあり、パーキンソン病の疑いがあるといわれています。
毎朝6時に家を出て7時から働く雅子さん。「仕事は階段の上り下りがえらい(きつい)けど、(保護を受けて)市に迷惑をかけられない」とがんばってきました。
そんな雅子さんを直撃した保護費削減の話。「80歳までは何とか働きたいと思っていました。でも、無理をして働いて医療費がかかっても払えない。仕事を減らすしかないのかと考えるようになった」といいます。
山口さんは、夫の仕事が減り、機材費などの借金がかさんで家を売るしかなく、路頭に迷っていたところを地域の生活と健康を守る会に助けられました。

本当の姿知って
生活保護を利用し、命を救われました。「感謝の気持ちでいっぱい」といいます。一方で、周囲から「あんたら保護費をぎょうさん(たくさん)もろうてんやろ」などという言葉を投げられ、泣いたこともたびたびです。
「生活保護へのバッシング報道があふれ、誤解がすごくあります。ふろもない部屋で、銭湯の420円の支出を節約して、夏はベランダでシャワーを浴びるようなきりつめた生活です。本当の姿を知ってほしい」。雅子さんの心からの願いです。(つづく)

メモ:生活保護基準を検討した社会保障審議会生活保護基準部会の報告書(1月)は、保護基準の検証方法に統計上の限界があることなどを認めています。高齢者世帯については保護基準が引き上げられるべきと示唆する結果が示されています。

「しんぶん赤旗」日刊紙 3013年3月1日付掲載



生活保護を受けている方は、楽して暮らそうって思っている方はごくわずか。ほとんどは、できるだけ働いて、できるだけ年金でと思って暮らしています。
特に医療費の負担は切実だと思います。
基準から外れてしまったら、保護費だけでなくって、医療費の補助までカットされてしまいます。
まさに生命の維持にかかわってくるのです。