きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

検証TPP「大筋合意」は何を示したか④ 発効後も続く圧力

2015-12-19 22:16:58 | 経済・産業・中小企業対策など
検証TPP「大筋合意」は何を示したか④ 発効後も続く圧力

環太平洋連携協定(TPP)は、発効しても、それで終わりではありません。関税の撤廃や削減を前倒し実施したり、取り決めの適用範囲を拡大したりする追加の協議や交渉も定められています。
TPP「大筋合意」によると、関税分類に基づく品目(タリフタイン)の数で見て、日本の関税撤廃率は95%に達します。農林水産物では81%、米、麦、牛・豚肉、乳製品、砂糖の農産物重要5項目では30%です。日本が過去に結んだどの協定よりも高い割合です。その影響をもろに受ける農林水産業者にとって、「交渉結果として最善」(甘利明TPP担当相)どころか、「最悪」です。

関税撒廃を加速
TPP条文案第2章第4条によると、いったん約束した関税の撤廃・削減は予定に従って実施しなければならず、原則として、関税を引き上げることも、新たな関税を設けることもできません。それだけではなく、いずれかの国から要請があった場合には、「関税撤廃の加速を検討するため協議する」ことになっているのです。
さらに、第2章の日本に関する付属書によると、TPP発効から7年以降は、オーストラリア、カナダ、チリ、ニュージーランド、米国のいずれかが要請した場合、要請国と日本は、「市場アクセスを向上させる目的で」(日本の輸入を増やすため)、関税、関税割り当て、セーフガード(緊急輸入制限)などで、「日本の誓約を検討するため協議する」とされています。
TPPは、あくまでも関税ゼロが原則です。「聖域なき関税撤廃を前提としない」(安倍晋三首相)というのはその場しのぎにすぎず、「大筋合意」の時点で一部の関税が残ったとしても、関税ゼロへの圧力がかかり続けるのです。



東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議の会場前でTPPに反対する人々=11月21日、マレーシア・クアラルンプール(ロイター)

追加的な交渉も
TPPは、関税削減・撤廃だけの協定ではありません。非関税障壁を除去するとして各国の規制緩和も求め、広範な分野で共通の基準(ルール)を定めます。そのうち、政府調達や国有企業などについても、「大筋合意」にとどまらない「追加的な交渉」を予定しています。
政府調達は、官公需の発注を外国企業にも開放する取り決めです。現在は、政府、独立行政法人、都道府県、政令指定都市が対象になっています。政府は、TPP「大筋合意」でも、変更はないと説明します。しかし、条文案第15章第24条によると、TPP発効から3年以内に、適用範囲を拡大し、発注額の閾値(しきいち)(最低額)を引き下げる目的で、「追加的な交渉」を行うことになっています。
また、国有企業と民間企業を同等に扱う取り決めでも、第17章第14条によると、発効から5年以内に、適用の拡大で「追加的な交渉」を行うとしています。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2015年12月11日付掲載


「大筋合意」の内容でも、大幅に関税撤廃して、官公需を海外に市場開放しているんですが…。
さらに適用範囲を広めることが求められます。
まさに、底なし沼です。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

志位さんを迎えて 神戸元町・大丸前で街頭演説会 戦争法廃止の国民連合政府樹立へ

2015-12-19 16:26:57 | 政治・社会問題について
志位さんを迎えて 神戸元町・大丸前で街頭演説会 戦争法廃止の国民連合政府樹立へ
12月19日(土)正午から、志位委員長を迎えて街頭演説会を開催。3500人が集まりました。

宣伝カーと神戸大丸
宣伝カーと神戸大丸 posted by (C)きんちゃん

新婦人内後援会 応援
新婦人内後援会 応援 posted by (C)きんちゃん
新婦人内後援会は元気いっぱい。

ママの会 訴え_01
ママの会 訴え_01 posted by (C)きんちゃん
最初に、「安保関連法に反対するママと有志の会@兵庫」から訴え。

ママの会 訴え_02
ママの会 訴え_02 posted by (C)きんちゃん
「だれのこどもも殺させない」を合言葉に、声を上げ続けます。

金田峰生 訴え
金田峰生 訴え posted by (C)きんちゃん
続いて、参議院兵庫選挙区予定候補の金田峰生さんが訴え。
自分の原点は、阪神淡路大震災。東日本の被災地へもボランティアも。
来年の参院選は定数が3に。自民、公明とその補完勢力である大阪維新の会に渡すわけにはいかない。今度こそ当選すると決意をしました。


大門みきし 訴え
大門みきし 訴え posted by (C)きんちゃん
参院比例候補の大門みきしさんが訴え。自民・公明の「軽減税率」。10%への消費税大増税をごまかすため、選挙目当ての「軽減」詐欺だ。参院選挙で増税勢力へ審判を。

街頭演説会 聴衆_01
街頭演説会 聴衆_01 posted by (C)きんちゃん

街頭演説会 聴衆_02
街頭演説会 聴衆_02 posted by (C)きんちゃん

志位和夫 訴え_01
志位和夫 訴え_01 posted by (C)きんちゃん
最後に、志位委員長が訴え。
戦争法(安保法制)について、南スーダンのPKOやイラク派遣などをあげて現実の危険性を説明。戦争法廃止の国民連合政府の提案の内容を語りました。
ハードルは超えるためにある。なんとしても国民連合政府の実現をと訴えました。


志位和夫 訴え_02
志位和夫 訴え_02 posted by (C)きんちゃん

志位・金田・大門 訴え
志位・金田・大門 訴え posted by (C)きんちゃん

戦争法廃止の2000万署名成功。参院選挙で躍進へ頑張りましょう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

検証TPP「大筋合意」は何を示したか③ 日本の反対で止まる

2015-12-19 10:29:48 | 経済・産業・中小企業対策など
検証TPP「大筋合意」は何を示したか③ 日本の反対で止まる

環太平洋連携協定(TPP)は「大筋合意」されただけで、条文案は現在、精査中です。その後、署名する正文が完成します。TPPの発効までには、多くの“関所”があります。署名後も、米議会と日本国会のどちらかが承認しないと、発効しないのです。

最短で2月初め
TPPの署名は、早くて来年2月初めとされます。それには、米国の事情があります。
米国では、通商権限が議会にあります。他方、大統領には、上院の助言と承認を得て条約(協定)を結ぶ権限があります。それで、議会は、通商政策を示し、議会との協議を定めた法律によって交渉を大統領に委ねます。現在の法律は、「2015年超党派議会貿易優先事項および説明責任法」といい、大統領貿易促進権限法(TPA)と略称されます。
それによると、大統領はTPPに署名する90日前に、署名の意思を議会へ通知しなければなりません。オバマ大統領は11月5日、その通知を行いました。そこから起算して、最短で来年2月初めになるのです。




議会内外で反対
しかし、「大筋合意」に対し、早くも米議会の不満が聞こえてきます。例えば、TPP推進派の共和党のハッチ上院財務委員長は、バイオ新薬のデータ保護期間をやり玉に挙げ、「嘆かわしいほど不十分だ」とする声明を発表。現在、大統領候補に名乗りを上げている“候補者”のすべてが、TPPに反対するにせよ賛成するにせよ、「大筋合意」には反対していると伝えられます。
大統領貿易促進権限法には、修正も再交渉も求めず、TPPを承認するか否かだけを表決する「迅速手続き」があります。しかし、議会に不満があれば、それを撤回することもできます。その場合、政府が署名しても、議会から修正や再交渉を求められる可能性があるのです。
議会外では、TPP反対を決議している地方議会もあります。消費者団体、環境保護団体、労働組合なども、それぞれの立場からTPPに反対しています。消費者団体パブリック・シティズンは、「企業利益を代表する500人もの米政府貿易顧問の要求で最終条文案は予想以上に悪いものになった」として、反対の意思を示しています。米国以外の各国でも、TPP反対の運動が続いています。



米議会にTPP拒否を求める人々=11月16日、ワシントン(島田峰隆撮影)

GDP85%以上
条文案によると、TPPは、三つの条件のいずれかを満たさなければ、発効しません。第一に、全署名国が国内での承認手続きの完了を通報すれば、その60日後に発効します。第二に、全署名国合計の国内総生産(GDP)の85%以上を占める、6力国以上の通報があれば、署名後2年に達した日の60日後に発効します。第三に、署名後2年を過ぎると、GDPの85%以上を占める、6力国以上の通報が行われた日の60日後に発効します。
基準とされる2013年のGDPによると、日本が欠けても、米国が欠けても、85%に達しません。つまり、日本の反対運動の高まりで、国会が批准しなければ、三つの条件のいずれも満たせず、TPPは発効しないのです。(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2015年12月10日付掲載


TPP合意は世界経済のすう勢の様にマスコミは報道しますが…。当のアメリカ国内でも反対運動が盛り上がっています。
「大筋合意」といっても、批准や発効はこれからです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする