自由を求めて パレスチナとイスラエル② 占領下の生活 移動を阻む検問所
ナビサレ村で続いている金曜デモの参加者、大学生のピサン・タミミさん(21)。占領下での暮らしについて聞くと、まず口をついて出たのは、検問所への不満でした。
活動家を逮捕
イスラエル軍が占領地に多数設置している検問所。イスラエル兵が通行者の身分証明書を確認します。渋滞して通るのに時間がかかる上に、治安を口実に閉鎖されると移動できません。
イスラエル兵は政治活動家のリストを持ち、通行者の身分証明書と照合します。逮捕することもあるといいます。
ピサンさんは、村の話を始めました。
「この2カ月、村で22人が逮捕されました。イスラエル兵は朝5時ごろやってきて村の男性を拘束しました。19歳の私の弟も。いまでも家に戻ってきません」「男性たちは金曜デモに参加し石を投げたからです」
このような現状について、パレスチナの政治家ムスタファ・バルグーティ氏はラマラで「占領とは自由のないこと」と言い切りました。2006年にパレスチナ評議会議員に当選し、非暴力で占領とたたかう運動を進めてきた人です。
「イスラエルの許可なしに移動できない。イスラエル兵はどこでもパレスチナ人をチェックでき、通行を止めることができる」と語り、「同じパレスチナに住むふたつの国民に別の法体系が適用される。これはアパルトヘイトだ」と強調しました。

ビサン・タミミさん

マナル・タミミさん
尊厳のために
イスラエル兵に向けたパレスチナ人の投石を「占領に抵抗するシンポル」と村の活動家マナル・タミミさんは言います。「イスラエル兵は、私の土地から出ていけ、私の村から出ていけ、家に来るな」というメッセージなのだと。
「石を投げる少年たちと完全装備のイスラエル兵は比べものになりません。石は兵士に届かず、実弾は少年を殺しています」と彼女は付け加えました。
大学生のピサンさんは、イスラエル兵に殺害された「殉教者」の葬式に参加しています。負傷したパレスチナ人を見舞い、イスラエル兵とパレスチナ人の衝突場所へも支援に行っています。
彼女は「占領に対して黙って座っているのではないということを世界に示すのです」と語り、たんたんとこう続けました。
「抵抗運動は空腹をパンで満たしません。けれども心を尊厳で満たします」
(ナビサレ〈ヨルダン川西岸〉=小玉純一 写真も)(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2015年12月8日付掲載
検問所なんて時代錯誤のものを設置するなんて異常ですね。まるで江戸時代の「関所」。
「関所」は防衛的な意味もあったが、「検問所」は弾圧の道具。
ナビサレ村で続いている金曜デモの参加者、大学生のピサン・タミミさん(21)。占領下での暮らしについて聞くと、まず口をついて出たのは、検問所への不満でした。
活動家を逮捕
イスラエル軍が占領地に多数設置している検問所。イスラエル兵が通行者の身分証明書を確認します。渋滞して通るのに時間がかかる上に、治安を口実に閉鎖されると移動できません。
イスラエル兵は政治活動家のリストを持ち、通行者の身分証明書と照合します。逮捕することもあるといいます。
ピサンさんは、村の話を始めました。
「この2カ月、村で22人が逮捕されました。イスラエル兵は朝5時ごろやってきて村の男性を拘束しました。19歳の私の弟も。いまでも家に戻ってきません」「男性たちは金曜デモに参加し石を投げたからです」
このような現状について、パレスチナの政治家ムスタファ・バルグーティ氏はラマラで「占領とは自由のないこと」と言い切りました。2006年にパレスチナ評議会議員に当選し、非暴力で占領とたたかう運動を進めてきた人です。
「イスラエルの許可なしに移動できない。イスラエル兵はどこでもパレスチナ人をチェックでき、通行を止めることができる」と語り、「同じパレスチナに住むふたつの国民に別の法体系が適用される。これはアパルトヘイトだ」と強調しました。

ビサン・タミミさん

マナル・タミミさん
尊厳のために
イスラエル兵に向けたパレスチナ人の投石を「占領に抵抗するシンポル」と村の活動家マナル・タミミさんは言います。「イスラエル兵は、私の土地から出ていけ、私の村から出ていけ、家に来るな」というメッセージなのだと。
「石を投げる少年たちと完全装備のイスラエル兵は比べものになりません。石は兵士に届かず、実弾は少年を殺しています」と彼女は付け加えました。
大学生のピサンさんは、イスラエル兵に殺害された「殉教者」の葬式に参加しています。負傷したパレスチナ人を見舞い、イスラエル兵とパレスチナ人の衝突場所へも支援に行っています。
彼女は「占領に対して黙って座っているのではないということを世界に示すのです」と語り、たんたんとこう続けました。
「抵抗運動は空腹をパンで満たしません。けれども心を尊厳で満たします」
(ナビサレ〈ヨルダン川西岸〉=小玉純一 写真も)(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2015年12月8日付掲載
検問所なんて時代錯誤のものを設置するなんて異常ですね。まるで江戸時代の「関所」。
「関所」は防衛的な意味もあったが、「検問所」は弾圧の道具。