きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

いで湯の里 由布市② まちの形 再考の機運

2016-07-31 11:10:38 | 震災・災害・復興・地震&災害対策など
いで湯の里 由布市② まちの形 再考の機運

熊本地震発生後「被害の少ないところから一日も早い営業再開を」と立ち上がったのは、由布院温泉観光協会(大分県由布市湯布院町)の26人の理事たちです。市や県、国に破損した什器(じゅうき)の補償制度の設置やグループ補助金の適用などを働きかけました。由布市商工会とともに支援制度の住民への周知も進めました。
「ゆふいん観光応援募金」の窓口を設置して、各地から寄せられる義援金を受け付けました。義援金をもとに活動を始めています。

花でおもてなし
「明るい雰囲気でおもてなしできるように」と1200株の花を400のプランターや鉢に植え、JR由布院駅前をはじめ、宿泊施設や商店前に置きました。まち全体が華やいだ雰囲気に包まれました。駅前では、花を前に写真を撮る観光客の姿が見られ、店舗でも来店者をなごませています。
6月20日からは、隣の別府市の黒川温泉観光旅館協同組合と共同、提携した「黒川×由布院夢つなぐ200日」の取り組みも始めています。両温泉に連泊すると2泊目の宿泊料金が10%引きになります(8月31日まで。13~15日のお盆期間を除く)。
国と県が実施している「九州ふっこう割」も追い風になっています。旅行会社がインターネットや店舗で販売する旅行商品やコンビニが販売する割引クーポン券の利用で、観光客は最大7割引きで宿泊することができます(9月30日まで)。旅行商品の売れ行きは好調で、「8、9月の宿泊については、毎日、たくさんの電話やファクスをいただいている」(亀の井別荘)状況です。
由布院温泉観光協会会長の桑野和泉さん(由布院玉の湯社長)は、「地震による由布院へのお客様の激減は、まちに大きな被害をもたらしました。同時に、ここ10年近く、忙しさの中で大切なものを見なくなっていたことに気づかされました」と話します。
「滞在型保養地としての由布院をどうつくっていくか、みんなで考えていく機会が与えられたと思っています」



JR由布院駅前の花を楽しむ観光客

住民主導の歴史
由布市には、住民が率先して自然との調和を図るまちづくりを推進してきた「住民主導のまちづくり」の歴史があります。1980年代以降、街並みを破壊する9階建てホテル建設やリゾートマンション建設、高原へのゴルフ場建設などの大規模な開発計画が次々と持ち上がりましたが、住民の強い反対運動で阻止してきました。
大分県中部地震が発生したとき(75年)にも、風評被害払しょくのために住民からさまざまなアイデアが出されました。つじ馬車が走り始め、星空の下のコンサートや映画の野外上映会が開かれました。
由布院温泉観光協会と黒川温泉観光旅館協同組合は20、21両日、由布市内で、まちづくりや観光業について話し合う催しを開催。観光業関係者などのべ150人が参加しました。九州全体に視野を広げて各地の観光業関係者が連携を深めていくことの必要性を語り合いました。、
大分県の観光統計調査によると、5月に前年同月比67・6%にまで落ち込んだ県内ホテル・旅館宿泊客数は6月には同84・7%に。有料観光施設の入場者数は5月の49・3%から6月には58・4%となりました。にぎわいを取り戻す住民の取り組みは続きます。
(おわり)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2016年7月29日付掲載


一時的な復興割引は大いに活用したらいいが。
滞在型保養地として、魅力的なまちづくりに取り組むっていいですね。
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