きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

2022年度予算案の焦点⑧ 地方財政 とにかく「デジタル」

2022-01-29 07:09:21 | 予算・税金・消費税・社会保障など
2022年度予算案の焦点⑧ 地方財政 とにかく「デジタル」
2022年度の地方財政対策について、自治体が自主的判断で使える一般財源総額は、21年度比7203億円増の63兆8635億円となりました。地方交付税が交付される交付団体ベースでは、微増(203億円増)の62兆135億円です。

必要な財源確保
必要な財源については、21年度補正予算とあわせて不十分ながらも基本的には確保しました。
税収は、地方税・地方譲与税が3兆9262億円増の43兆8283億円。地方交付税は、6153億円増の18兆538億円です。
地方交付税の不足分を補う臨時財政対策債は、過去の同債の償還分のみとなり3兆6992億円減の1兆7805億円です。
総務省は、保健所の人員体制強化のため、昨年度から2年間で約900人増員する方針で、22年度は450人増ですが現場からは「これでは少なすぎる」との声があがっています。
「まち・ひと・しごと創生事業費」は1兆円を確保し、地域社会の維持・再生に取り組む「地域社会再生事業費」は4200億円を計上。地域社会のデジタル化を進める「地域デジタル社会推進費」は2000億円を充てますが、これら3事業は前年度と同額です。
公共施設の統廃合などを進める「公共施設等適正管理推進事業」は脱炭素化の推進事業を加え、前年度比1000億円増の5800億円を計上しました。
岸田政権は、デジタルを活用した地方の活性化として「デジタル田園都市国家構想」の実現に向け、菅前政権の約3倍にあたる総額5兆7000億円をデジタル関連事業に投入すると表明しました。また、台湾の半導体企業の誘致に4000億円の補助が見込まれるなど特定の大企業支援を行います。



デジタル庁発足式であいさつする石倉洋子デジタル監=2021年9月1日、東京都千代田区の「東京ガーデンテラス紀尾井町」内の同庁で



失策の反省なし
地方が抱える仕事・交通・教育・医療などの課題をデジタルで解決するといいますが、地方の経済疲弊や人口流出を招き、東京一極集中を加速させた歴代政権の政策の反省はありません。
同構想は、規制の撤廃により民間企業が個人情報を利活用する環境整備を進めるもので、国民監視の危険性もある「データ連携基盤」の整備や、高速通信規格「5G」の早期展開、全国十数カ所へ大規模データセンターの建設、「デジタル田園都市スーパーハイウエイ」と称する日本一周海底ケーブルなど、大企業のための公共事業が目白押しです。
昨年9月に発足したデジタル庁は、初の通年予算として4720億円を計上。そのうち4601億円を情報システム関連経費に充て、国と地方が共同利用する情報システムの統一・標準化(ガバメントクラウド)や、スマートフォンへのマイナンバーカード機能の搭載などを計画しています。
ガバメントクラウドにより、自治体独自の住民サービスの継続が困難となり、自治体の個人情報保護条例の「共通ルール化」で地方自治が侵害される恐れがあるほか、プロファイリング(人物像の推定)による人権侵害の危険が指摘されています。(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2022年1月28日付掲載


総務省は、保健所の人員体制強化のため、昨年度から2年間で約900人増員する方針で、22年度は450人増ですが現場からは「これでは少なすぎる」との声。
国と地方が共同利用する情報システムの統一・標準化(ガバメントクラウド)や、スマートフォンへのマイナンバーカード機能の搭載などを計画。ガバメントクラウドにより、自治体独自の住民サービスの継続が困難になります。個人情報の流出やプロファイリングによる人権侵害もの危険も。